四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第132回
ハープ業界の今を知り、今後を占うHandy Harp
20年前の紙を基に作られたiPadアプリは革命を起こせるか
2013年10月27日 12時00分更新
作曲家もハープの構造や記譜法を知らない
―― ハーピストってどれくらいいらっしゃるんですか?
朝川 どれくらいでしょうね。日本でプロの方だと100人はいないじゃないでしょうか。
―― ということは100本しか売れませんよ、光田さん!
光田 ははは、そうですね。
朝川 でも銀座十字屋さんというところで習っている方は大勢いるんですよ。そして十字屋さんの店頭においてあるiPadに、このアプリをインストールしてくれているんですね。
―― 佐野さんが推したんじゃなくてですか?
朝川 (アプリの開発中に)弦の色とかはっきりしない部分があって、僕はお店にいろいろ質問したんですね。十字屋さんはいろんなメーカーを扱っていますから。それで完成しましたというメールと、プロモーションコードをさし上げたんですね。そうしたらそれを店頭のiPadに。
―― でもハープを売っているお店で、ハープのアプリなんか商売敵のようなものでは?
朝川 僕はハーピストから「自分たちの仕事がなくなるんじゃないか」と言われているわけなんです。そんな生ハープを売っているお店で「とんでもない」と言われるんじゃないかと思ったんですが、さすがに進歩的なお店で。
―― 打ち込みを楽にしたいという光田さんの目的と、生演奏のために譜面を作るという朝川さんの目的も、利害関係としては一致しないですよね?
光田 昔、ドラムマシーンが出て、ドラマーの仕事がなくなるという話がありましたよね。でも、作家の中でもハープは複雑な楽器だという認識がありますから、生を頼むのが怖いという方も沢山いらっしゃるんです。まず「譜面はどうやって書けばいいの?」みたいなところから始まったりする。だから、これで作家もハープという楽器を知れば、逆にハーピストの仕事は増えるんじゃないかと。
銀座十字屋ハープ&フルートサロン
〒104-0061 東京都中央区銀座3-5-4 十字屋ビル8階
電話 03-3535-2834
URL http://www.ginzajujiya.com
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