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四本淑三の「ミュージック・ギークス!」 第119回

DETUNEのポケコンアプリ「DPC-100」はこうしてできた

iPhoneでポケコン? 脳内から生まれたアプリが一部で話題に

2013年04月13日 12時00分更新

文● 四本淑三

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ポケコンアプリDPC-100

iPhoneの中にポケコンが!

 そんな見た目のインパクトで話題をさらった、DETUNE社のポケコンアプリ「DPC-100」。プログラミング言語BASICを搭載し、iPhoneやiPadで自由にプログラミングが楽しめるという、非常にマニアックな製品ながら、聞くところによると今までのDETUNE製アプリの中で一番売れているらしい(過去にDETUNEでリリースされたアプリはiYM2151や、I am Synthがある)。

 2013年1月20日リリースされて以降、矢継ぎ早にアップデートを重ね、現在バージョン1.3。独自にPSG音源を実装し、GPSや加速度センサー、タッチパネルやiPhoneのLEDを光らせるコマンドなど、iOS機器内のディバイスほとんどにアクセスできるようになった。

 ただし画面表示は、往年のポケコンを模して作られた1行のモノクロ液晶。そこにわずか16文字が表示されるのみで、漢字表示はできず、日本語もカタカナのみという設計だ。iOSディバイスを使って、なぜわざわざそんな不自由なものを作ったのか。

 開発したのはプロキオン・スタジオのプログラマーの鈴木秀典さん。そしてプロデュースは、ニンテンドー3DS用「KORG M01D※1」や「M01」、iPadアプリ「iYM2151」でおなじみ、DETUNE社代表取締役の佐野電磁さん。このおふたりに加えて、スタパ齋藤さんとの共著書「100台のコンピュータ」でも知られる、ポケコンに詳しい船田戦闘機さんを交え、DPC-100の素晴らしさについて語ってもらった。

DPC-100 App
価格850円 作者DETUNE Ltd.
バージョン1.3.0 ファイル容量4.1 MB
カテゴリーユーティリティ 評価(4)
対応デバイスiPhone 3GS以降、iPod touch(第3世代)以降、iPad 対応OSiOS 5.0以降

左からプロキオン・スタジオの鈴木さん、DETUNE佐野さん、今回参加してくれた船田さん

※1 2013年4月10日フランクフルトのミュージックメッセでついに発表! 惜しまれつつ生産完了した名作ワークステーションソフト「KORG M01」がダウンロード版で再登場することが決定した。詳細はこちら

なんと1ヵ月で完成してリリース

―― 2012年のイベントで発表されてから、発売までずいぶん時間がかかりましたけど。

鈴木 あの後、本職の仕事が忙しくなっちゃって。それで2012年の12月の頭くらいに、やっと本職の方が一段落ついたんで、せっかくだから年末年始にかけてアップしようと。

DPC-100は、2012年5月16~18日に東京ビックサイトで開催された「教育ITソリューションEXPO 2012」で発表。当時、佐野さんは「来月にでも出る」みたいなことを言っていた。

―― 結構突貫工事じゃないですか。

鈴木 イベントで発表したアプリは2週間くらいで、リリース版は1ヵ月くらいですかね。ただ設計はほとんど立ててあったので。あとはもう作るだけ。プログラムの規模としてはそれほど大きなものではないので。

―― しばらく話を聞かないので、リジェクトされたのかとか心配していましたが。

鈴木 iOSの中でスクリプトを動かすことがどこまで許されるのか。iOSのディバイスにアクセスできるので、どうなんだろうという話はしていましたけど、あっさり。

―― えーと、船田さん、言語の実装ってそんな簡単にできるものなんですか?

船田 いや、人によりますね。

佐野 はははは。

鈴木 BASICって言語というより、スクリプトに近い感じがあります。我々のゲーム業界でも、キャラクターの動きはスクリプトで制御していて、プログラマーはそのスクリプトの処理を作っているんです。だからゲームのプログラマーだったら大体の人が作れるんじゃないかなと。

―― 操作するための言葉を用意してあげるという意味では一緒ということですね。

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