今回のことば
「デルが非上場化したのは、デルのすべてのお客様のための判断である」
(米デルのマイケル・デルCEO)
長期的な期間で結果を出すために非公開企業へ
米オラクルが、9月22日(米国時間)から5日間に渡り、米サンフランシスコで開催した「Oracle Open World San Francisco 2013」の開催4日目の基調講演で、米デルのマイケル・デルCEOが登壇し、その冒頭に、デルの非上場化について自ら言及した。米デルは、創業者であるマイケル・デルCEOおよび投資会社のSilver Lake Partnersが、約249億ドル(約2兆5000億円)をかけて、マネジメントバイアウト(MBO)を実行。これによって、デルは非公開企業となる。
デルCEOは、「なぜ、デルは非上場化を決定したのか。ひとことでいえば、デルのすべてのお客様にとって、なにがいいのかを判断した結果である」と切り出した。デルは、ここ数年、積極的な買収を繰り広げている。その数は約20社にのぼる。そこで同社が目指しているのが「ソリューションプロバイダーへの変革」である。
「デルは、過去5年間に渡って、エンド・トゥ・エンドでエンタープライズソリューションを提供できる会社へと変わろうとしてきた。そのビジョンを現実のものにするために、130億ドルを投資してきた。昨年だけでも50億ドルを投資している」と語る。
その一方でこうも語る。
「デルが目指すビジョンを実現するには、長期的な戦略が必要であり、積極的な投資も行う必要がある。5年、10年、20年という長期的な期間で結果を出すことが大切だ」
上場企業は、四半期単位での業績が評価される。しかし、かつてのPCメーカーとしてのデルから、ソリューションプロバイダーへと転換を図るデルにとって、いまは大手術の真っ直中だ。そして、これがあと何年続くのかもわからない。そうしたなかで、四半期ごとの業績変化を重視したり、株主を尊重した経営をしなくてはならない上場企業のままでの変革には限界があると感じたわけだ。
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