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業界人の《ことば》から 第54回

『なんでブラザーを買ってきたんだ』とは言わせない

コンパクトだがA3プリント可能を、企業やSOHOにアピール──ブラザー販売

2013年08月27日 08時00分更新

文● 大河原克行

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今回のことば

「10%と15%では、市場に与えるインパクトがまったく違う。売り場での展示台数が増え、認知度があがる。100万台という次の目標につながる」

(ブラザー販売・片山俊介社長)

エプソン・キヤノンの2強に続く、第3の選択肢に

 ブラザー販売は、インクジェットプリンター「PRIVIO」(プリビオ)シリーズのラインアップを一新し、8月下旬から発売する。

 昨年から、インクジェットプリンターのブランド名をPRIVIOに変更して2年目となる今年度は、新たにローエンドモデルの「シンプルシリーズ」を追加。18機種の新製品を一気に投入した。

 「第3の選択肢というポジションを確固たるものにする」(ブラザー販売・三島勉取締役)と宣言する。

 ブラザーは、PRIVIOシリーズへのブランド変更とともに、それまで主力としていたFAX売り場だけでなく、プリンター売り場へも展示を拡大。先行するエプソン、キヤノンへの追随を図り、インクジェットブリンター市場での存在感を増してきた。

 「奥行き290mmというコンパクトさと、手差しでA3印刷が可能にするといった常識を覆す機能が評価を得た。また、『第3の選択肢』という強いメッセージによって、認知度、シェアともに順調に伸ばしてきた」と、ブラザー販売・片山俊介社長は語る。

 続けて、「2013年度は、ハードウェアの進化とともに、ブラザーが提供するサービスによって、プリンターに新たな価値を提供する」(片山社長)とし、年間販売目標で75万台、年間シェア目標として15%の獲得を掲げる。

 「昨年は、年間65万台の出荷台数を目標としていたが、それには微妙に届かなかった。だが、当社が実施したアンケートでは、明らかに認知度は高まっている。ホームからビジネスまでを取り揃える当社の戦略を踏襲すれば、今年は年間75万台、年間シェア15%という目標には確実に到達する」と片山社長は自信をみせる。

 意欲的な目標達成を左右するのは、インクジェットプリンターの需要が最も集中する年末商戦での戦い方だ。

シェア15%、75万台という目標を掲げるブラザー

 三島取締役は次のように説明する。

 「ブラザーは、通常月には10%のシェアで推移していても、12月の年末商戦には5~8%にまで落ち込む。つまり、通常月の2.5倍~3倍の販売規模となる12月にはシェアが落ちてしまうことの繰り返しだった。これでは、第3の選択肢というには弱い。年末商戦で選ばれる製品にならなくてはいけない」

 2012年12月のブラザーのシェアは8%。2013年12月は「5ポイント増やし、13%のシェアを目指す。これによって年間15%のシェアを獲得する」と三島取締役は語る。

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