業界人の《ことば》から 第54回
『なんでブラザーを買ってきたんだ』とは言わせない
コンパクトだがA3プリント可能を、企業やSOHOにアピール──ブラザー販売
2013年08月27日 08時00分更新
コンパクトなのにA3プリント可能を、企業やSOHOにアピール
2013年度の新製品では、クラウドやスマートフォンとの連携を強化するとともに、PCを使用してなくても、年賀状が作成できる「年賀状アプリ」を提供。さらに「コンパクトサイズなのに、A3プリント可能」という特徴を引き続き訴求する考えだ。そして、「ネオシリーズでは、中小企業やSOHOが欲しいという機能を搭載した。この分野はもともとブラザーが強い領域。ここで他社との差別化を図れることもシェア拡大には弾みになる」(片山社長)とする。
一方、「PRIVIO」の新商品発売に際し、人気アニメ『あしたのジョ-』の世界観を表現したTVCMも放映するのも今年の特徴だ。
10月からは「あしたの常 (ジョー)識」篇を、11月から、「あしたの年賀ジョー」篇を全国で放映。矢吹丈と丹下段平をはじめ、数々の名キャラクターたちが登場し、「PRIVIO」の魅力を伝える。矢吹丈の声は、あおい輝彦さんが、丹下段平の声は アンタッチャブルの山崎弘也さんが務めるという。丹下段平は、すぐにアンタッチャブルの山崎弘也さんとわかる演出であり、その点でも話題が集まりそうだ。
ブラザー販売の片山社長は、「インクジェットプリンター市場におけるシェアが10%との時と、シェアが15%になったときでは、市場に与えるインパクトがまったく違う。売り場での展示台数が増え、認知度があがる。そうすれば、中小企業においても、『なんでブラザーを買ってきたんだ』とは言われなくなる(笑)。こうした動きが、次の100万台、シェア20%という目標につながることになる」とする。
このペースでいけば、年間100万台への挑戦は、2015年度になるだろう。そのためにも2013年度のシェア15%への挑戦は重要な意味を持つことになる。
「まだまだ上位との差は大きい。相手もすばらしい商品を投入してくるはず。そうしたなかでも、少しずつ、着実に間合いを狭めていきたい」と片山社長。今年の年末商戦の戦いに思いを巡らせている。
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