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「サーバ統合、プライベートIaaSだけではハッピーになれない」

IT基盤の最適化、オラクルが考える次の一手は「PaaS」

2013年07月30日 08時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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プライベートPaaS、成功のポイントは4つ

 岡嵜氏は、この事例に見られるプライベートPaaS成功のポイントとして4点を挙げた。

 まずは、PaaSクラウドのリファレンスアーキテクチャをしっかりとデザインし、個々の機能を具体的な製品へと落とし込む作業だ。そのためにはクラウドの運用管理や、将来的な外部クラウドとの連携なども含め、必要な機能を詳細に検討していく必要がある。

 続いて、ユーザーがニーズに応じて選択できるサービスカタログの作成である。前述の金融機関の場合、SLA(サービスレベル契約)やデータベースのバージョンなどに応じて16種類のサービスを用意しているという。

ポイント1はPaaSのリファレンス・アーキテクチャ

ポイント2はサービスカタログの作成

 3つめはクラウドサービスのライフサイクル管理の実施である。「単なるITリソースの集約ではなく、利用者にサービスを提供するクラウド。IT部門は“サービス提供者”として、運用管理をおざなりにしないことが大切」(岡嵜氏)。そのためには前述のサービスカタログのほか、ユーザー体感やアプリ視点でのモニタリング、インフラの健全性の維持、場合によっては利用量に応じた課金や、外部クラウドリソースのブローカーといった機能も実装しなくてはならない。

 最後に挙げられたのはガバナンスである。岡嵜氏は、サービス供給側のライフサイクル(サービスデリバリー&オペレーションライフサイクル)だけでなく、需要側であるビジネス案件のライフサイクル(サービステナントライフサイクル)、需要と供給を結びつけるライフサイクル(サービスポートフォリオライフサイクル)を含め、3つのライフサイクルを管理する必要があると強調した。「単にクラウド基盤だけでなく、利用側もコントロールすること。マイグレーション推進のためには、仕組みを作ってあとは放置するのではなく、個々のアプリケーションを具体的にどうマイグレーションするか、そこまで含め取り組むことが必要」(岡嵜氏)。

ポイント3はクラウドサービスのライフサイクル管理

ポイント4はサービス供給側だけでなく利用側も含めたガバナンス

 講演の締めくくりとして岡嵜氏は、顧客のIT基盤最適化の取り組みを支援するため、オラクルでは豊富な経験を持つ「人」、実績のある標準化された「プロセス」、業界のベストプラクティスや蓄積された知見を融合した「ポートフォリオ」という3つの要素をすべて提供できるとアピールした。

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