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オンプレミスと同じOracle DBやJava環境をクラウドで使える「Oracle Cloud Platform」

オラクル、パブリックPaaSの国内投入でクラウド本格展開開始

2015年04月10日 06時00分更新

文● 大塚昭彦/TECH.ASCII.jp

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 日本オラクルは、4月9日開催の「Oracle CloudWorld Tokyo 2015」において、パブリッククラウドとして提供されるPaaS「Oracle Cloud Platform」の本格的な国内展開開始を発表した。今後、日本国内にデータセンターを新設し、技術者へのトレーニングや営業の体制も強化していく。

発表会に出席した日本オラクル 取締役 代表執行役社長兼CEO 杉原博茂氏

日本オラクル 副社長執行役員 データベース事業統括 三澤智光氏

オンプレミスと同じアーキテクチャでPaaSを提供

 Oracle Cloud Platformで提供されるサービス(コンポーネント)は、現段階では次の5種類。今後、さらに提供サービスを拡充していく方針だ。

・「Oracle Database Cloud Service」:データベース製品「Oracle Database(Oracle DB)」のPaaS版。
・「Oracle Java Cloud Service」:アプリケーションサーバー製品「Oracle WebLogic Server」のPaaS版。
・「Oracle Developer Cloud Service」:上記Java Cloud Serviceの付属サービスで、Java EEアプリケーションのチーム開発支援ツール群。
・「Oracle BI Cloud Service」:クラウド型BIツール。
・「Oracle Documents Cloud Service」:企業向けのクラウド型ファイル共有ソリューション。

提供されるサービスは5種類。今後さらに拡張される予定

 これらのクラウドサービスは、オンプレミス向けと同一の製品やアーキテクチャで構成されている。Oracle DBやJavaのエンジニアが従来のスキルセットをクラウドでも生かせるほか、オンプレミス/クラウド間のアプリケーション移動や連携が容易にできる点が大きな特徴となる。なお、顧客がオンプレミス向けに購入したソフトウェアライセンスを、クラウドに移して利用することも可能だ(BYOL:Bring-Your-Own-License)。

オンプレミス/クラウドを同じテクノロジーで構成することで、アプリケーションの可搬性や連携性が高まる。エンジニアも既存のスキルを生かせる環境となる

 さらに、オラクルが提供するCRMやERPといったSaaS群も、このCloud Platform上で構築/提供されているため、SaaSの機能拡張も容易に開発できる利点がある。「PaaSを提供することによる相乗効果として、SaaSもさらに成長していくのではないか」(杉原氏)。

オラクルのSaaS群も同プラットフォーム上で構築されている

Oracle DBやJavaエンジニア向けのクラウドトレーニングを強化

 Oracle Cloud Platformの提供開始に伴い、オラクルではクラウドエンジニアの育成も強化していく。まずは「Oracle Master」資格保有者を中心にトレーニングを実施し、「半年の間に1万人のクラウド技術者を育成する計画」(高橋氏)。またOracle DBおよびJavaの技術者を対象とした、技術者認定制度も新たに立ち上げるほか、トレーニング向けのオンラインコンテンツも拡充させる。

 また年内をめどに、国内データセンターを開設する計画であることも明らかにされた。「これにより、(データ保管国などの)法的な問題や、レイテンシの問題を解消する」(杉原氏)。ただし国内パートナーとも、顧客の相互乗り入れやソリューションの共同開発/提供といった形で、クラウド分野での協業を強化していきたいと述べている。

オンプレミスと同じアーキテクチャでPaaSを提供

 杉原氏は、今回同社がOracle Cloud Platformの国内展開開始や国内データセンター計画を発表したことで、これまで掲げてきた「2020年までにクラウドNo.1企業を目指す」という同社ビジョン(VISION 2020、関連記事)の実現に向け、本格的に取り組む姿勢を示したと語った。

 「(組織的には)今回、PaaSのGo to Marketの責任者として、データベース事業のトップである三澤を据えた。その中で、Oracle DBの営業は全員がPaaSを販売していく。中途半端なことはしない」(杉原氏)

 また三澤氏は、Oracle Cloud Platformは「既存のIT資産」と「既存技術者の知識」を最大限に生かせるPaaSであると述べた。「現在利用しているミッションクリティカルなアプリケーションやデータが、クラウドでも使えるようになる。同時に、(PaaSへの移行によって)レガシーなシステムをモダンなアーキテクチャに変えていく。これもわれわれの役割」(三澤氏)。

 さらに、国内市場ではまず開発/テスト用途で展開していく戦略を語った。ミッションクリティカルなアプリケーションの本番環境をいきなりクラウド移行するのは難しいが、その開発/テスト環境だけでもクラウド化できれば、大きなコスト削減につながると顧客は考えていると、三澤氏は説明した。

Oracle Cloud Platformの国内展開戦略。まずはコスト効率の高い開発/テスト環境として顧客に訴求していく

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