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なれる!SE 間違いだらけの?IT用語辞典(中二版) 第22回

スルガシステムに社用車がない理由が明らかになったIT用語

2013年07月11日 18時00分更新

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回答編


ウォードライビングはセキュリティ用語ね。防御の弱い無線アクセスポイントを車に乗って探し回ること。


防御の弱い? どういうことですか。


無線LANって最低でもSSIDと暗号化キーくらいは設定しておかないと誰でも使えちゃうのよ。ただ技術に明るくない一般ユーザーはそのあたり未設定で動かしちゃったりして、結果不特定多数がアクセス可能になっちゃうわけ。


はぁ……んでも一つ防御の弱い無線LAN見つけたって、それを使えるエリアは限られますよね? インターネットアクセスしたいために、わざわざそこに行くんですか?


インターネットしたいからっていうより攻撃の足をつきづらくするためよ。普通クラッカーが自前のプロバイダで接続すると接続履歴が残るでしょ? どこかサーバを攻撃してもすぐに誰の仕業かバレちゃう。でも他人の無線AP(*2)経由なら? どうなると思う?


あ、残るのはAP所有者の接続履歴ですね。


でしょ? で、そんなAPは多分接続ログもきちんと保存してないから、結果誰がやったか不明になる。あるいはAP所有者が攻撃者として逮捕されてしまうか。


……怖いですね。


怖いわよ。だから無線APを使う以上、最低限のセキュリティはかけておかなきゃだめ。あとWEPって暗号化方式はもう簡単に解読されちゃうから、それも設定しちゃだめね(*3)


色々難しいですねぇ。無線LANはまだ人類には早すぎたのかもしれません……。


みんな好き勝手に強度MAXで電波飛ばしてるしね。干渉も漏洩も知ったこっちゃないって感じで嘆かわしいわ。本当、人ん家の中まで11b(*4)の電波飛ばしてくるなっつーの。


まぁまぁ、そういう部分にみんな明るくないからこそ、僕らのビジネスが成り立つわけですよ。素人が全員無線LANの設定やれちゃったら、僕たち飯の食い上げでしょう?


……む、桜坂のくせに正論を。


にこにこ
(今日は綺麗に締められた!)


桜坂、ちょっと今日のお題をもう一度言ってみて。直訳つきで。


はい? ウォードライビングですよね。
訳すと……戦争のドライブ……運転?


???「僕の運転が……戦争だって」


え?(振り向く)


(泣きながら)
僕の運転は戦争みたいに物を壊すっていうのか! 危険だっていうのか。そんなに人のトラウマを掘り返して楽しいかい桜坂君、楽しいかい! え!?


ちょ、ちょっと落ち着いて下さい。これはIT用語の説明で……って室見さん!? またいない!?


僕だってその気になればきちんと運転できるんだ! そう、あの時はちょっと運気が悪かっただけだ。今なら、今ならきっちりやれるはず。よし! 桜坂君、レンタカー借りに行こう! 今日は僕が送るから!


いや、いや結構です!
ぎゃあああああああ!(引きずられていく)


(*2) アクセスポイント
(*3) WPA/WPA2を使いましょう。
(*4) 現在メインストリームの無線規格802.11a/b/g/nの前の規格。遅い。


【解説】

ウォードライビング
セキュリティの弱い無線アクセスポイントを車で探し回ること。語源はダイヤルアップ時代の非公開モデム探索手法、ウォーダイヤリング(無差別ダイヤル)から。なお飛行機で同様の探索をすることはウォーフライングと呼ばれる。

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