怒濤の勢いで普及するスマホ
タブレット快進撃の裏には、スマートフォンの普及がある。両者は構造的に近く、インターフェースも共通。スマホの一般化が、タブレットが受容されるための下地を作り上げたことは間違いない。
いまやスマホは私たちの生活の中心だ。
象徴的なのが、音楽の売り上げだ。2013年1月~3月には、iTunesなどを通じた音楽配信の売り上げはシングルで前年度比36%増の36億8700万円、アルバムで59%増の16億9600万円だった。スマホの普及で、音楽のデータ購入に拍車がかかっている。
PC周辺機器の置き換えも始まっている。プリンターがその代表例だ。
NTTドコモのクラウドサービス「フォトコレクション」では、スマホで撮影して保存した写真をプリントして配送する「ドコでも写真プリント」を5月中旬に開始。これを使えば、プリンターを使わずに直接スマホから写真を印刷できる。
さらにスマホは、家電のリモコンさえ過去のものにする。
パナソニックはエアコンの運転状況などを確認できるスマホアプリ「パナソニックスマートアプリ」をアップデート。7月中旬から、外出先でエアコンの電源を入れられるようになる。スマホさえあれば、リモコンがいらないわけだ。
仕事のスタイルも、スマホを前提としたものに変わりつつある。
シャープは、クラウドに対応したカラー複合機「MX-4140FN」を発表した。同社の法人向けクラウドサービス「スリー・エス・ウェブ シャープデスクオンライン」を使えば、スキャンしたデータを外出先からスマホやタブレットで閲覧できる。
医療現場でも、スマホが活用されている。富士フイルムが開発した遠隔画像診断治療補助システム「アイストローク」は、担当医や専門医がスマホで情報をやり取りして、救急搬送された患者に対応する仕組みだ。
もはやスマホは、巨大なうねりとしてPCメーカーに襲いかかっている。