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なれる!SE 間違いだらけの?IT用語辞典(中二版) 第18回

過去のトラウマがポロリと露見しちゃったIT用語

2013年06月06日 18時00分更新

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回答編


スパニングツリーの回で話したけど、レイヤ2のネットワークはループした瞬間フレームが無限増殖し始めるのね。送出したパケットをもう一度受け取ってコピー・再送出、それを全ハブが繰り返して通信不能になる。この状態をブロードキャストストームと呼ぶの。


うわぁ、本当に初版だ。すごいなぁ、プレミアとかついてないのかしら。

(ぐさり)


すみません……ちゃんと話を聞きます。


もともと現行のイーサネットというのはスター型といってハブやスイッチを中心に、放射状に線が延びていく想定なのね。だからブロードキャスト(一斉同報)を投げたら末端に向けて次々とコピーしていく。ハブアンドスポーク(*4)の構成なので、いつかは端にたどりついて終わるはず。


ふむふむ。


でもその末端にスイッチが置かれていてまたセンターのハブに接続されると、いつまでたっても一斉同報が終わらないでしょ? 伝言ゲームの最後尾からまた最初の人に戻っていくような感じで。


なるほど、で、その伝言ゲームのループを検出すると自動的にやりとりを禁止するのがスパニングツリーでしたね。


そう。ただスパニングツリーって構成が複雑化するから、それを嫌がるエンジニアも多いのよね。なので別の対策も準備されてる。たとえば一定量のブロードキャストを観測したら当該ポートをシャットダウンしてしまうとか。


伝言の量が増えてきたら『もうやーめた!』と言って以後の伝言を拒否するような感じですか?


そうそう。この機能のことを一般的にはストームコントロールと呼ぶ。私的にはこの単語も中二っぽくて好きなんだけどね。


ストームコントロール……嵐の制御者……。


ね、いいでしょ。


ノーマ・エブラムソ・ロバトメ・トロフ・デビッド・ボーグス……緘黙せよ城門の王、ストームコント=ロー!


おお、いいじゃない。詠唱文にイーサネットの開発者の名前を持ってくるところとか、なかなか憎いわね。


って、この初版本に室見さんの筆跡でメモしてありました。


ふぉー!?(慌てて奪い返す)


いやぁ、室見さんにもそんな時代があったんですねぇ。
嬉しいですよ(ニヤニヤ)


ち、違うわよ。入手したときにはもう書いてあったの。デフォルトで記載されていた感じよ!


日常会話でデフォルト(*5)とか使うの社二病ですから。


キャー!


(*4)自転車における車輪の軸と、そこから伸びる網線のような構成のこと。
(*5)直訳すると欠席・棄権などの意味だが、IT業界では既定値などの意。


【解説】

ブロードキャストストーム
L2ネットワークのループによってブロードキャストフレームが無限増殖し通信不能になること。対策としてスパニングツリーやストームコントロール機能の有効化などがある

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