4月9日、アクロニス・ジャパンは企業向けモビリティ・ソリューション製品2種と、MacintoshからWindowsベースのファイルサーバ/プリントサーバへのアクセスを可能にするサーバーソリューション1種を発表した。受注開始日は4月24日。
バックアップからモバイルへ
アクロニスはまず個人ユーザー向けのバックアップ/リストアソフトウェアから事業を開始し、中小企業、さらに大企業の事業継続ソリューションへと成長してきた。まず概要説明を行なった同社の代表取締役の村上 督氏は、同社にとっての2013年を「エンタープライズビジネス元年」と位置づけた。同氏は、同社の戦略を端的に「事業継続を意識した統合プラットフォーム」と表現し、現在でも中核製品となっている「Acronis Backup & Recovery」(ABR)を軸に、データ移行やクラウドストレージサービス、そして今回発表のモビリティソリューションを加え、事業継続に役立つさまざまな機能をマルチプラットフォームで提供していく考えを明確にした。
続いて、米アクロニスのプロダクト・マネジメント・ダイレクタのブライアン・アルマー氏が新製品の概要を紹介した。今回発表の新製品は、「mobilEcho」「activEcho」「ExtremeZ-IP」の3種で、いずれもアクロニスが2012年9月に買収発表したGroupLogic社の製品となる。欧米ではすでに市場展開済みだが、日本では今回から導入となる。
mobilEchoは、「モバイルユーザーから、企業のファイルサーバーやSharePoint、NASへセキュアで管理されたアクセスを実現する、Mobile File Management(MFM)ソリューション」だ。モバイルユーザーは、ファイアウォールの内側に設置された「mobilEcho Server」を介して社内のファイルサーバーやSharePointサーバー、NASなどのリソースにアクセスできる。Active Directoryと統合されたユーザー管理や通信の暗号化、リモートからのセキュリティ設定やリモートワイプ機能など、モバイル環境でセキュアに業務データを扱うための機能が一通り実装される。
activEchoは、企業向けのファイル共有・同期ソリューションとなる。いずれも、ITコンシューマライゼーションのトレンドに沿った取り組みであると同時に、先の震災などでも実証された通り、「オフィスに出社できない状況でも業務が続けられる」という形で事業継続に寄与することになるだろう。最後のExtremeZ-IPは、モビリティというよりはApple MacintoshをWindows中心の企業ネットワーク環境で利用する際の非互換性を解消するための製品となる。
今回発表の3製品はいずれもユーザー数ベースのライセンスで提供され、同社製品のディストリビューターであるソフトバンクBBとダイワボウ情報システム、およびリセラー各社から販売される。最小構成価格は、mobilEchoが10万2000円から、activEchoが33万4000円から、ExtremeZ-IPが10万2000円から。