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はじめてのEMCストレージ導入 第3回

ユニファイド・ストレージと重複排除ストレージのベストコンビ

災害対策もバッチリ!VNXe+Data Domainはやっぱり最強

2013年07月12日 08時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp イラスト●野崎昌子

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イーエムシー工業総務部の河西係長から新ストレージの導入プロジェクトを任されているSI稲葉は、EMCのVNXeセミナー参加ののち、パフォーマンス測定と導入計画を立案した。いよいよVNXeの導入に至る段階で、災害対策の相談も受けることに!

コンシューマー系NASとの差別化は?

 渾身のリプレースプランを持って、SI稲葉は河西係長のもとを訪れた。

SI稲葉:先日EMCのセミナーに参加してきました。講演したエンジニアや営業の人からも情報を収集し、その内容を踏まえた提案書と見積りをお持ちしました。コンシューマ系NASを用いた構成も入れておきました。

河西係長:ふむふむ。導入価格はやや高くつくが、結局VNXeのほうが信頼性やコスト対効果が優れているというわけか。

渾身のリプレースプランを提出

SI稲葉:はい。資料の通り、VNXeは高い信頼性とデータ保護を要求される企業での利用を前提にさまざまな工夫が盛り込まれています。やはり、コンシューマ系NASのようにファームウェアの不具合で、データが消えるなんてことは二度と味わいたくないですからね。

河西係長:複数のサーバーを仮想化することになるが、性能面は問題ないのかな?

SI稲葉:はい。最新のXeonプロセッサーを用いているので、今回の御社の用途であれば、相当余裕があります。ただ、弊社もVNXeを取り扱うのは始めてなので、試用機を取り寄せて、コンシューマー系NASと性能比較したところ、やはり卓越した性能が出ました。他社でも似たような案件が増えているので、きちんと検証データをとります。

河西係長:わかりました。稲葉さんがそこまで考えているなら、基本VNXeで進めてください。

 ということで、河西係長にも納得してもらい、VNXeによる仮想化プロジェクトがスタートすることになった。導入機種は「VNXe 3150」で、元のサーバーよりもかなり多めのディスクを搭載した構成にした。GUIのツールである「Unisphere」のウィザードを使い、LANに接続。「VMware」のメニューから共有ボリュームを作成し、指定したVMware vCenterからESXサーバーを選択。これにより、ESXサーバーからVNXeのNFS共有ボリュームが利用できるようになる。スナップショットやレプリケーションの設定も可能なので、バックアップもすぐに行なえる。

わかりやすいVNXeのGUI

災害対策やバックアップも考えてほしい

 VNXe 3150の設定が終了し、サーバールームのラックに備え付けた後、SI稲葉氏は河西係長と打ち合わせをした。なにやら、急ぎの相談のようだ。

SI稲葉:河西さん、今日はなんでしょうか?

河西係長:実は、先日の地震である営業所のオフィスに置いてあったタワー型のサーバーが倒れて、起動しなくなってしまったのです。幸い、データは無事だったのですが、バックアップをきちんととってなかったので、危ないところでした。その後、台風で工場の一部が水に浸かったり、競合会社がWebサイトを改ざんされたり、いろいろ事件が続いたので、専務からデータのバックアップはどうか聞かれたんです。

SI稲葉:なるほど。確かに現状では一部の基幹システムのデータを磁気テープでとっているだけなので、十分とは言えませんね。

自然災害やサイバー攻撃でデータが心配だ

河西係長:ですから、VNXeとは別にバックアップの刷新もおねがいしたいのです。幸いにも、一部の引っ越しプロジェクトが中止になったおかげで、予算が少し確保できました。

SI稲葉:わかりました。任せてください!

テープからのリプレースに最適!

 サーバー仮想化だけでなく、バックアップのプロジェクトまで任されたSI稲葉は、先日参加したEMCのセミナーで聞いたData Domainの話を思い出した。

 Data Domainはバックアップ専用のストレージで、重複排除という技術でバックアップデータを大幅に削減できるのが大きな売り。データをブロック単位に分割し、重複しているデータを削減していく。このディスクには構成要素と設計図のみを保持し、同じ内容のブロックが繰り返し書き込まれ、容量を消費するのを防ぐのだ。また、重複排除された最小限のデータをWANを通じて効率よくレプリケーションすることができるので、災害対策として活かすことも可能だ。

 SI稲葉も製品の特徴は知っていたが、「Data Domainは高価」というイメージがあり、中小企業のイーエムシー工業では導入が難しいと思っていた。しかし、調べてみると、最新の「Data Domain DD160」であれば、100万円から導入できることがわかった。そこで、先日のセミナーで名刺交換したData Domain販売パートナーの営業である浅井さんに話を聞いてみた。

SI稲葉:さっそくですが、バックアップの刷新を考えていらっしゃる製造業のお客様にData Domainを提案しようと思い、お越しいただきました。基本は基幹システムのバックアップで、テープからのリプレース。災害対策に関しても何らか手を打ちたいということなのですが。

DD浅井:それはまさにData Domainの勝ちパターンですね。お客様のほとんどが磁気テープの管理が面倒とか、リストアに時間がかかるといった要件で導入を決断なさいます。今回も、磁気テープドライブをData Domainに置き換えれば、バックアップソフト等はそのままお使いいただけます。

SI稲葉:重複排除や圧縮はどれくらい効くんでしょうか?

DD浅井:一般的にはバックアップデータ量が1/10~1/30に削減されると説明しています。実際にロードしてもらうと、ファイルサーバーにせよ、基幹システムにせよ、どれだけ重複データが多いかわかると思いますよ。

SI稲葉:重複排除のために処理スピードが落ちるということはないんでしょうか?

DD浅井:そこがまさにData Domainの売りですね。Data Domainの場合、サーバーから流れたデータをCPUとメモリで逐一処理していくインライン方式を採用しているので、データは最小化された状態でディスクに保存できるんです。

SI稲葉:なるほど。こうして重複排除されたデータをさらに遠隔地にレプリケーションすることで、災害対策として機能させるということですね。

DD浅井:はい。別拠点のData Domainと相互にレプリケーションしあう構成もできます。

SI稲葉:では、本社と工場でのレプリケーションを検討してみますので、2台分のライセンスまで含めた見積をお願いします。

Data Domain2台で災害対策を実現

 こうしてSI稲葉はData Domainを本社と工場に配置し、基幹システムのバックアップを遠隔地に保存する体制を構築する計画を立てた。結果、河西係長はVNXeだけではなく、Data Domainの導入計画にもゴーサインを出し、イーエムシー工業のIT活用は新たなステージに入った。導入時にレクチャーを受けた河西係長は、すでにVNXeのユーザーインターフェイスにも慣れ、ボリューム作成やレプリケーションなどの設定も自分で行なえるようになった。

 現在は、VNXeをベースにしたVDI導入や製造部門のデスクトップPCのバックアップをData Domainに統合する計画も進めており、SI稲葉は当分忙しそうだ。

(提供:EMCジャパン)

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