このページの本文へ

ALSIの情報漏えい対策製品の最新版が登場

ウイルス対策やセキュアPDF機能を追加した「InterSafe ILP」

2013年03月15日 06時00分更新

文● 谷崎朋子

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

3月14日、アルプス システム インテグレーション(ALSI)は、情報漏えい対策シリーズ「InterSafe ILP」の新バージョンを発表、販売開始した。構成製品の機能が複数強化されたほか、新たにセキュリティPDF作成ソフト「InterSafe SecurePDF」が加わった。

ウイルス検知やファイル書き出しなど各種機能を追加

 InterSafe ILPは、情報漏えい対策をキーワードに、ファイル自動暗号化ソフト「InterSafe IRM」、デバイス制御ソフト「InterSafe DeviceControl」、Web型申請・商人ソフト「InterSafe WorkFlow」、セキュリティUSBメモリ作成ソフト「InterSafe SecureDevice」で構成される。構成製品は単体で導入できるほか、必要な製品を複数組み合わせることも可能だ。クライアントPCにクライアントソフト「InterSafe Client」をインストールし、管理コンソール「InterSafe Manager」で一元管理する。

 今回のパージョンアップでは、スタンドアロンPCの管理追加オプションやWindows 8への対応など、20項目以上の機能強化が行なわれた。中でも注目すべきは、「ウイルス検知機能」「クイック書き出し」「セキュリティPDF作成」の3つだ。

InterSafe ILPバージョン3.0の主な強化ポイント

 ウイルス検知機能(InterSafe IRMの追加機能)は、ウイルス対策ソフトと連携して、暗号化されたファイル内のウイルスを検知、駆除するもの。一般的にウイルス対策ソフトは、暗号化ファイルを検知してもプログラムのメモリ領域内で展開できないため、ユーザーが復号化するまで混入したウイルスを検知、駆除できない。今回の機能強化によって、ウイルス対策ソフトはメモリ領域内で暗号化ファイルを読み込むとき、ファイルを自動的に復号化、検閲できるようになった。

 現在対応するウイルス対策ソフトは、トレンドマイクロの「ウイルスバスター コーポレートエディション」とシマンテックの「ノートン インターネット セキュリティ」の2製品だ。

ウイルス対策ソフトとの連携で脅威を排除

 クイック書き出し機能は、InterSafe WorkFlowのオプションだ。InterSafe WorkFlowでは、持ち出しを申請して承認されたファイルのみ、外部デバイスに書き出すことができる。このステップについて、「承認者でもある上長の場合は、申請・承認なしでファイルを書き出せるようにできないかと、ある顧客から要望が上がった」(ALSI 営業統括部 マーケティンググループ 清水康雄氏)という。

ALSI 営業統括部 マーケティンググループ 清水康雄氏

 そこで、承認者に限っては申請・承認プロセスを割愛し、ファイルを書き出せるよう、クイック書き出しオプションが開発されたという。

環境に依存しないファイル制御を実現する
InterSafe SecurePDF

 構成製品として新たに加わったInterSafe SecurePDFは、有効期限や印刷制御、コピー制御、起動時のパスワード制御などを設定したPDFファイルを作成するソフトだ。InterSafe IRMと連携することで、暗号化も行なえる。ファイルの閲覧は、Adobe Readerが使えるので、特別なソフトは不要だ。「Adobe Readerをインストールしていれば、スマートフォンやタブレット端末など、デバイスを問わずにファイルを閲覧できる」(清水氏)。

InterSafe SecurePDFの概要

 同製品は、企画から1年以上かけてリリースに至ったという。社内で暗号化したファイルを外部送信するとき、印刷制御やコピー制御を付加するソフトがある。これらは、本来のアプリケーションの動作を横取り(フッキング)して機能を制御するのだが、操作監視ソフトも同様のフッキングを行う。そのため、これらが導入された環境では互いの動作がバッティングし、ファイルが開けないなどのトラブルが発生する。

 問題は、ファイルの送信先でこのトラブルが発生することだ。「対応するには、ソフトの設計自体を根本から見直すほかないと思われた」。ALSI セキュリティソリューション部 副部長 森本敏男氏は、開発当初を振り返る。

ALSI セキュリティソリューション部 副部長 森本敏男氏

 こうして辿り着いたのが、Adobe PDFのセキュリティ機能になる。PDFではフッキングせず、コピー制御などの各種機能をAdobe Readerなどのアプリケーション内で実現する。他製品との干渉もなく、実行環境を選ばずにファイルのセキュリティレベルを維持できる。

 InterSafe SecurePDFは、1~99ライセンスで9000円から。その他の構成製品の価格は、各製品の紹介ページに記載されている。

■関連サイト

カテゴリートップへ

  • 角川アスキー総合研究所
  • アスキーカード