チェックポイント7 録画の画質をガチで比較
続いては、通常録画の長時間モードの画質を確認してみることにする。ここでは、BS放送を2倍モード、地デジ放送を3倍モードと4倍モードで録画して確認している。
記事掲載当初、全録機能の画質比較という内容で記載していましたが誤りです。お詫びして、訂正いたします。(2013年2月21日)
まずは2倍モード。オンエア画質の違いからすると東芝有利と考えていたが、少々驚く結果が出た。ともにDRモードと比べて劣化感はほとんどなく、静止画で並べて確認してようやく違いが発見できるレベルだ。両者を比較とすると、かなりわずかな差ではあるが、パナソニックの方がビル街の奥の見通しがいい。発売時期が1年以上あるため、AVCエンコードの進化の差が現れたのだろう。
続いて3倍モードだ。昨年秋のBDレコ決戦でも書いたが、パナソニック(DMR-BXT3000)の長時間録画は今や3倍や4倍では画質劣化がほとんど確認できないレベル。水族館の中を泳ぐさまざまな魚の映像を見たが、水槽に差し込む光がゆらゆらと動き、魚たちの数もいっぱいという難しい映像ながら、ほんのわずかに輪郭が甘くなったかというくらいの違いしかわからない。ゆらめく光の加減もきれいだ。
これは、パナソニックのDIGAで定評のあるマルチタップ方式のクロマアップサンプリング(色再現性を向上する技術)の能力の高さもあるだろう。
一方のDBR-M190はディテールに差が見られる。動きの多い映像で目立ちやすいノイズなどは抑えたスムーズな映像になっているのは、オンエア画質とは対照的だ。
そして、4倍モード。こちらは空撮でヨーロッパの都市部を撮影した映像だ。空撮も動きが多く、しかもディテールが豊富なため、AVCエンコードの実力がよくわかる厳しいソースだ。
DMR-BXT3000は、ゆっくりとした動きではオンエアと比べて多少ソフトに感じる程度だが、多少大きく動く場面では全体に映像のぼやけが増え、建物の輪郭や窓の形が見づらくなる。
だが、それも静止画で比較しているからわかる差で、普通に動画として見ている限りはほとんど気にならない。
DBR-M190も画面が大きく動くと映像が甘くなるが、ゆっくりと動く場面ではビルの形状や窓の輪郭などディテール再現に大きな差はない。遠景のぼやけ気味の景色の再現に多少差を感じるくらいだ。
東芝の長時間モードは実使用でもまったく不満はないし、スポーツや音楽といった圧縮による劣化が目立ちやすいソースでもなければ、そのままBDメディアに書き出しても問題ない。
パナソニックはわずかではあるがその上を行っているように感じた。オンエア画質(DR)での違いを考えるとかなりの健闘だ。これならばDRモードで録画できないことはまったく問題にならないだろう。