CLOUD CENTER for Windowsで構築するプライベートクラウド 第2回
パッケージされたクラウドだから仮想マシンがさくっと作れる
CLOUD CENTER for Windowsの仮想マシン運用は自由度が高い
2013年02月21日 08時00分更新
ビットアイルのプライベートクラウドサービス「CLOUD CENTER for Windows」について徹底解説する企画の2回目。今回は、最大の特徴ともいえる「System Center」による運用管理を実際の画面を見ながら解説していく。
運用負荷の軽減や柔軟性に注目せよ!
「クラウド=コスト削減」というイメージがあるが、実際に得られる効果は、多岐に渡る。まずは運用管理の効率化である。現在、企業のICT投資の7~8割は既存システムの運用管理に費やされていると言われる。特に、日本は諸外国に比べて、運用コストが概して高く、投資が新しいICT分野に回らない大きなネックとなっている。しかし、オンプレミスで構築されたシステムを、仮想化されたリソースを柔軟に調整できるプライベートクラウドに移行することで、運用管理の手間を大きく軽減することが可能だ。
また、柔軟性という観点でもクラウドは魅力的だ。ユーザー部門が必要とするシステムの構築には、従来数ヶ月という期間を要していた。しかし、リソースをプールしておき、ダイナミックに調達できるプライベートクラウドを構築しておけば、ユーザー部門は迅速にサービスを展開できる。サービスが終了したら、リソースをプールに返却し、他部門で再利用すればよい。きわめて合理的で、効率的なコンピューター活用といえよう。
もちろん、単にサーバーが仮想化されているだけでは管理負荷の軽減やシステムの柔軟性を確保することにはならない。システム障害や災害、オペレーションミスなどにいち早く対応しつつ、作業の省力化や自動化を実現する管理ツールが鍵となる。その点、ビットアイルのCLOUD CENTER for Windowsの場合、マイクロソフトの「System Center」を用いて、仮想マシンの設定や運用管理、監視、バックアップ運用まで効率的に行なえる点がポイントだ。
Windows Server 2012の実力を引き出すSystem Center 2012 SP1
System Centerは、クラウドやデータセンター、デスクトップ、セキュリティまでを統合的に管理できるマイクロソフトのシステム管理プラットフォームである。最新のSystem Center 2012 SP1ではWindows Server 2012をサポートし、Windows Azureとの連携も大幅に強化されている。CLOUD CENTER for Windowsでは業界に先駆けてこのSystem Center 2012 SP1をサービスに搭載。複数の仮想マシンの設定や管理を効率的に行なえる「System Center Virtual Machine Manager(以下、SCVMM)」を標準で提供している。
クラウドや仮想化機能を強化したWindows Server 2012と、その実力を最大限に引き出すSystem Centerをセットですぐに利用できるCLOUD CENTER for Windowsは、企業の本格的なクラウド導入にまさに最適といえる。
SCVMMはCLOUD CENTER for Windowsのまさに根幹をなす運用管理ツールだ。Windows Serverの場合、通常は標準搭載されている「Hyper-Vマネージャー」というツールでホストマシンや仮想マシンの管理、仮想ネットワークの管理などを行なえる。これに加えて、SCVMMでは、標準的なサーバー構成をテンプレートとして登録したり、複数サーバーを単一のクラスターとして構成したり、仮想マシンへのCPUやメモリの割り当てに優先度を付けることができる。その他、Windows Serverの機能や役割、ユーザーのロールを事前に割り当てたり、サービスの提供期間を設定できるのもSCVMMならではだ。
「ノード追加」のオプションを契約し、複数のホストマシンでクラスターを組んでおけば、可用性の向上にも役立つ。System Center 2012 SP1ではHyper-Vと連携することで、ホストサーバーの障害時に仮想マシンを移動・再起動させるフェイルオーバーや、無停止で仮想マシンを別のサーバーに移動させるライブマイグレーションのほか、サーバーリソースがしきい値を上回った場合に仮想マシンを自動的にライブマイグレーションさせる「Dynamic Optimization」の機能も追加されている。
以下、SCVMMからの設定や運用を見てみよう。
(次ページ、ウィザードから仮想マシンが簡単に作れる)

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