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シスコがモバイルトラフィックの調査内容を披露

5年後は13倍!激増するモバイルトラフィックにどう対応する?

2013年02月06日 16時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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2月6日、シスコシステムズはモバイルトラフィックの調査に関する発表会を行なった。スマートフォンを中心とするトラフィックの急激な増大に対して、サービス事業者はどうすべきなのか? 後半のパネルディスカッションで意見交換が行なわれた。

2017年のモバイルトラフィックは30兆の画像に相当

 Cisco VNIはシスコがグローバルで手がけているネットワーク関連の調査と予測で、今回は最新のモバイルデータトラフィックの予測である「Cisco Visual Network Index(VNI) Global Mobile Data Traffic Forecast for 2012 to 2017」が発表された。同日行なわれた発表会はグローバルに中継され、Cisco VNIを担当するダグ・ウェブスター氏が調査内容を紹介した。「通信業界においてモビリティについて語る際は、必ず日本の話からスタートする。日本が将来を予測する鍵になるからだ」(ウェブスター氏)。

シスコシステムズ サービスプロバイダー マーケティング担当 バイスプレジデント ダグ・ウェブスター氏

 まず、モバイルデータトラフィック全体は2017年までの5年間で13倍増加し、月間11.2エクサバイト/月(年間134エクサバイト)に達するという。この134エクサバイトというデータ量は、世界中の人が毎日10枚の画像、毎日1本のビデオを送信する量に匹敵するという。134エクサバイトは画像でいうとMMSやInstagramなど30兆の画像、ビデオクリップ3兆に相当するとのこと。

 地域で見ると、APAC(アジア太平洋地域)の伸びがすさまじく、2017年には全体の47.1%に達する。日本は世界でもっとも急速にモバイルデータトラフィックの拡大が進み、2012年から2017年までに14倍に拡大するという。

5年間に13倍拡大するというモバイルトラフィック

 注目すべきポイントは、まずデバイスの多様化だ。PCや携帯電話、スマートフォン、タブレットまで含めたモバイル端末は現在の70億から2017年には103億に増加。そして、従来トラフィックの中心はモバイルPCであったが、2013年にはスマートフォンのトラフィックが逆転。2017年には、スマートフォンのトラフィック比率が67.5%まで拡大し、モバイルPCの14%に大きく水を空けることになる。あわせて、M2M(Machine to Machine)のトラフィックが増加するのもポイントとなっている。

デバイスごとで調べると、スマートフォンの伸びがすさまじい

 また、4Gのトラフィックについても言及され、2017年に接続数で全体の10%を占め、トラフィックの45%にまで膨れるという予想が出ている。日本では状況がグローバルと異なっており、3Gが下落傾向にある一方、4Gは2017年までに接続数の36%、トラフィックの62%を占める見込みだという。

 さらにはモバイル網のデータを固定網に逃がすいわゆる「オフロード」が普及し、現在の33%から2017年には46%になると見込まれているという。

Wi-Fiとのオフロードや固定網の融合が鍵

 調査報告の後は、総務省 総合通信基盤局 データ通信課長 齋藤晴加氏、ドコモエンジニアリング 代表取締役社長 辻村清行氏、ディー・エヌ・エー システム統括本部長 茂岩祐樹氏によるパネルディスカッションが行なわれ、モバイルトラフィック増大に対する意見交換が行なわれた。

右からモデレーターのシスコ バイスプレジデント グローバルテクノロジー 政策担当 ロバートペッパー氏、総務省 総合通信基盤局 データ通信課長 齋藤晴加氏、ドコモエンジニアリング 代表取締役社長 辻村清行氏、ディー・エヌ・エー システム統括本部長 茂岩祐樹氏

 通信事業の監督官庁である総務省の齋藤氏は、シスコの調査と総務省の調査が同じ傾向を示していることを紹介した上で、「トラフィックをさばくため、適切な周波数を割り当てるほか、固定網へのオフロードを促進している。また、研究開発を積極的に推進し、ふくそう制御の解消に貢献していきたい」と総務省の施策を披露。また、オフロードに関しては、「最近ではWi-Fiでのふくそうが課題になってきているため、5GHzの屋外解放やシェアードAPという検討もなされている」と言及した。

 また、NTTドコモエンジニアリングの辻村氏は、「モバイルトラフィックの増大は、オペレーターにとって頭痛の種」と述懐したのち、「われわれは(トラフィックの多くを占める)ビデオ中心のアプリケーションを、どうやって効率的に送れるかを考えている」と技術開発の方向性を説明した。また、「すでにWi-Fiはオフロード用途だけではない。セルラー網とあわせて、総合的にどうやってユーザーエクスペリエンスを向上させていくかが重要」と、セルラー網やWi-Fi、さらには固定網を融合し、優れたユーザー体験を作り出すことが必要だと指摘した。

 ソーシャルゲーム事業者として発言した茂岩氏は「フューチャーフォンに比べ、スマートフォンのトラフィックはすでに3~4倍に拡大している。今後ますます大容量で、信頼性の高いネットワークが必要になってくる」とインフラの重要性について説明した。

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