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Apple Geeks 第102回

あのマツダが“カメラ”アプリ!―優れた企業PRアプリを考える

2013年01月25日 18時00分更新

文● 海上忍(@u_shinobuTELAS

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「CARPTURE FOR DRIVERS」のココが面白い!

 この「CARPTURE FOR DRIVERS」、有り体にいえば「画像加工可能なカメラアプリ」だが、ユニークな特徴をいくつか備えている。それは、クルマの撮影に特化していること。止まっているクルマでも、流し撮りをしたかのように撮影できるのだ。

 流し撮りは、若干遅めのシャッター速度で、動いている被写体に合わせカメラを動かしながら撮影するもの。写真撮影はカメラを動かさないことが基本だが、流し撮りでは正反対の撮影方法が要求される。文章に書けば簡単そうだが、実際に試すとこれがなかなか難しいのだ。クルマの場合、Uターンが難しい公道では“一発勝負”でのぞまねばならず、相当な慣れが必要になってくる。

指先で手軽に流し撮り加工

 「CARPTURE FOR DRIVERS」にはアングルガイドが用意されており、その構図に従い停止状態のクルマを撮影し、あとで加工すれば、流し撮り風写真に仕上がる。風景を流す方向や強さを指定したり、タイヤの回転も加味したりできるので、かなりそれらしい雰囲気になるのだ。

収録された候補の中から好みのアングルを選び、そのフレームを参考にしながら撮影できる(さすがにアテンザがモデルだが)

適用できるエフェクトは8種類、流し撮り風に仕上げるには「Drive」を選択する

 カメラロールに保存されている写真も利用できる。適当に撮影した筆者のマイカー写真で試してみたところ、駐車場にバッチリ停止しているにもかかわらず、躍動感を持たせることができた。筆者のサンプルはマスク処理がアバウトなため、サイドミラー付近の背景が流れていないことはご愛敬だが、フォトレタッチソフトと格闘することを思えば十分だろう。たとえ他メーカーのクルマが被写体だとしても、サンプルショットに登場するアテンザを何度も眺めることになるので、PR効果は大きいはず。

駐車場に停車中のマイカーを被写体に試してみた。指先でマスク処理し、風景が流れる方向と強さを指定する程度で作業完了だ

自動車以外にも応用できる

 このCARPTURE FOR DRIVERS、何も被写体はクルマに限らない。近くにあったハムスターの小さな人形を撮影して、クルマと同じ手順で作業したところ、疾走するようなイメージを加えることができた(あいかわらずマスク処理は甘いが……)。マンガのような加工を施せる「漫画カメラ」まではいかないにしても、工夫次第で面白い写真が簡単に作れるはず。提供したマツダの思惑を超えるレベルで人気を得そうなPRアプリなのだ。

クルマ以外にも利用できるので、何か動きを出したい被写体があれば、活用価値は大きいはずだ


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