電撃オンラインのゲーム好きが送るゲームコラム。今回は1992年にPCエンジンで発売された超大作RPG『天外魔境II』について熱弁させていただきます!!
著者プロフィール
エマヌエル
電撃PlayStationや電撃オンラインを中心に活動しているゲーム好きのおっさんライター。好きなジャンルは箱庭ゲーやRPGだが、アニメやマンガなどが原作のゲームなら、ジャンルを問わずなんでも食っちゃう雑食ゲーマーです。懐かしのゲームから最新ゲームまで、とにかくなんでもおまかせあれ!
ただいま電撃オンラインでは、年末年始特別企画“ゲームやろうぜ!キャンペーン”という読者参加型企画を実施中。特設ページにて、年末年始にプレイしたい作品、または他の人にオススメしたい名作タイトルのコラムをお届けしています!
どうも、今回のコラムを担当する、80~90年代の青春時代をいまだ引きずるライターのエマヌエルです。ちょっと懐古主義っぽいかもしれませんが、ぜひ皆さんにオススメしたい名作RPGを紹介したいと思います。
それは……『天外魔境II MANJI MARU』です! ……はい、ご存知ない方もいると思いますので説明していきましょう。このタイトルは、1992年にハドソンがPCエンジン スーパーCD-ROM2用に発売した超大作RPG。企画・監修に広井王子氏、音楽に久石譲氏など、制作陣も超豪華! 現在はPlayStation Storeのゲームアーカイブスにて800円(税込)でダウンロードが可能です。
800円かぁ。……いやぁ~、発売当時にこのタイトルをプレイするには、かなりの初期投資が必要でした。当時の最先端だけあって、とにかくハードが高価でしたから。なので、ひたすら家の手伝いをして親に媚びへつらい買ってもらったものです……(59,800円のPCエンジンDuoを買ってもらいました)。
そんな思い入れもあってか、とにかくハマりまくり、PS2やPSPなど各ハードでリメイクされるたびに買ってクリアするほどの、マイフェイバリットタイトルです。まずはその魅力を列記してみましょう。
『天外魔境II』のココがスゴイ!
- CDによる大容量&迫力のある生音源
- 個性豊かなキャラクターがほぼフルボイスでしゃべりまくる
- イベントではアニメーションムービーが挿入
- 平均クリアタイム約60時間という超絶な大ボリューム
……今のRPGなら当たり前じゃん。そう思われますよね? でも、ちょっと待って! 本作が発売された年を思い出してください。はい、そうなんです。このゲームは、20年前のタイトルなのです。
この当時、ほとんどのRPGはアニメーションムービーはおろか、キャラクターの声なんか入っておりませんでした。さらに、この時代のRPGの平均クリアタイムは、およそ20~40時間であったため、ゲームとしても倍以上のボリュームがあったと言えます。そう『天外魔境II』のスゴイところは、現在のRPGに必要な要素を20年前に高次元にやってのけていたところなのです!
まるで良質のアニメを見ているかのような痛快な物語は
今遊んでも古くない!
続いて、細かい要素を掘り下げながら『天外魔境II』の思い出を語っていこうと思います! ……が、その前に、本作を知らない人のために物語を簡単に紹介します。
●『天外魔境II』プロローグ●
千年前……。ジパングに暗黒ランと呼ばれる巨大な花が出現した。
創造神が作り出した破壊の象徴ヨミは、地上に現われ、“根の一族”と暗黒ランを操り瞬く間にジパング全土を侵略する。
その時、どこからともなく“火の一族”が現われた。数千日の長きに渡る戦いの末、彼らは七人の勇者と七本の聖剣に力を集結し、ヨミと暗黒ランを封じたのだった。
そして今、この伝説を知った大和地方の支配者が、私欲のために暗黒ランを封じた聖剣をすべて抜き去ってしまう。千年前の悪夢が、ジパングで繰り返されようとしている……。
本作の舞台は日本に似た架空の世界“ジパング”で、現在の日本でいう大和地方(北陸、近畿、中国地方)で物語が展開します。主人公である“火の一族”の勇者・卍丸が、ジパング中に再び咲き乱れた7本の暗黒ランを仲間とともに封印し、“根の一族”の神・ヨミの復活を阻止するのが目的です。わりと今では珍しい勧善懲悪のストーリーと、奇想天外な展開が本作の見どころです。では次に、しゃべりまくりな主要人物を紹介します!
戦国卍丸(せんごく・まんじまる) CV:伊倉一恵
火多国・白川村で生まれ育った15歳の少年で、村中の子どもたちを子分に持つガキ大将。自分が聖剣を扱える“火の一族”の末裔であることを知り、家族やジパングの人々を救うため旅立つ。バランスのいい戦闘力を持った、まさに主人公タイプの能力だ。
カブキ団十郎(かぶき・だんじゅうろう) CV:山口勝平
自称・ジパング一の伊達男。“火の一族”の末裔だが、とてつもなく軽薄な性格をしている。一族の宿命に対する意識のかけらもなく、その能力を生かして女にモテまくるド派手な生活を望む。自分より目立つ卍丸に同行し、彼より目立とうともくろむ。卍丸より、やや術よりの能力となっている。
極楽太郎(ごくらく・たろう) CV:赤星昇一郎
千年前の戦いの“火の一族”の生き残りで、1024歳。人魚族の恋人の涙を飲んだことで寿命が延びたが、人魚族の禁を犯したことで投獄され、人生の大半は牢に閉じ込められてしまうことに。楽観的な性格と、巨大な岩をも持ち上げる怪力を持つ豪傑である。術が苦手な分、体力と攻撃力に優れたパワーファイター。
絹(きぬ) CV:井上あずみ
鬼族を父に持つ“火の一族”の少女。予知能力を持っており、一族の末裔としての宿命を感じ、愛犬シロとともに卍丸の仲間になる。だが、両親の凄惨な死が深い心の傷となって残っており、敵を傷つけることを恐れ、自分の手を鎖でつないで戦いを拒んでいる。攻撃を封じているものの、使える術は非常に豊富。
えー、すいません。早速ウソをつきました……。“しゃべりまくり”と書きましたが、主人公の卍丸はオープニングと、もう1つのイベント以外、ほぼセリフがありません。
あ、でもフォローではありませんが、我をあまり出さなかったことが、卍丸=プレイヤーの図式を生み出し、シナリオへの没入感を引き立ていたんですよ!? ちなみに唯一の長セリフがあるイベントシーンは、かなりグっとくる内容になってます。
主人公がしゃべらないかわりと言ってはなんですが、カブキや極楽がガンガンしゃべってくれるのでご安心を。特にカブキは、主人公が無口なことをいいことに自己主張しまくりの目立ちまくり! 後に多くのスピンオフ作品が生まれた名キャラクターなのです。
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