グローバルで展開するモデルだからこその選択
── 汎用のDIMMが載るという点は、ひとつスゴイところですよね。
レノボ 「この高さでの放熱も考えると、断然オンボードのほうがやりやすい面はあります。Yogaではさらに、配線がノイズを拾わないようにするためのテクノロジーが必要で、特殊な基板が必要になりました。
Yogaの基板は層と層の間にほとんどノイズが載らないタイプの基板にしています。これもまた日本のテクノロジーです。
ThinkPadだったら当たり前という面もありますが、中国の技術者はすごく頑張った部分ですよね。Yogaは全社で取り組んだプロジェクトという側面があります」
── ユーザーは基本的にアクセスできない場所ですが、ここをオンボードにしなかった理由はなんでしょう?
レノボ 「オンボードはやっぱり高価になるし、バリエーション展開がしにくいんですね。日本の場合は発売時点でCore i5は4GBメモリー、Core i7は8GBにしていますが、他国で展開する場合にはほかの組み合わせが欲しいと言われる可能性もあります。オンボードでそれをやると、かなりの種類のマザーボードを用意しなければなりません。
他国ではCore i3モデルもあるので、CPU3種×メモリーの種類と言う感じになってしまいます。これが日本のメーカーなら『コストをかけてでも、スゴイギミックを入れるという感じ』でやると思うのですが、IdeaPadのシリーズではコストのバランスも考えないといけません。
コストの観点で考えるなら、やはりDIMMは必須ですよね」
編集部註:知ってたら言いたかった!
今回の取材ではレノボ・ジャパンでIdeaシリーズを担当するプロダクトマネージャーの櫛田氏も同席していた。櫛田氏は開発出身。技術者の視点でみたYogaの感想について聞いたところ:
「開発は相当難しかったでしょうね。DIMMが入っててファンが2つ。初めに知っていたら、言いたかった。写真を見せてね。あとビックリしたのが、mSATAのSSDを入れているんですが、予備が置くスペースがあるんですよね……」と話していた。
もしかしたら2枚入れることも可能なんじゃないかな、mSATA2枚でSSD RAIDなんかあったら楽しそうだな、と取材した記者も大興奮でした。