このページの本文へ

前へ 1 2 3 4 次へ

AMD大好き! AMD派に送る最新自作レシピ 第3回

オススメはこれ! Radeon HD 7000シリーズをまとめてチェック

2012年12月19日 11時00分更新

文● 池座 優里

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

 APU、CPUと続いたAMD特集だが、3回目となる今回取り上げるのはミドルレンジからハイエンドまでをカバーする新GPU、Radeon HD 7000シリーズだ。製造プロセスの微細化と新アーキテクチャー採用により、ワットパフォーマンスを重視をするイマドキ仕様へと生まれ変わったビデオカードをまとめてチェックしていくことにしよう。

AMD Radeonの最上位となるRadeon HD 7900シリーズ

VLIWからGCNへとアーキテクチャーが変更された
Radeon HD 7000シリーズ

AMD製GPUの変遷。ミドルレンジからハイエンドにかけてすべて新アーキテクチャーへと移行した

 Radeon HD 7000シリーズでは、Radeon HD 2000からHD 6000シリーズまで採用されてきた「Very Long Instruction Word」(以下VLIW)アーキテクチャーから、新アーキテクチャー「Graphic Core Next」(以下GCN)へと変更されているのが最大の特徴だ。

Radeon HD 7000世代ではアーキテクチャが刷新され「GCN Compute Unit」を基本単位とするGCNアーキテクチャーを採用する

 これまでAMDのGPUでは基本的に4×16基のRadeonコアをまとめた「SIMD Engine」を1つの単位とし、これを複数搭載させることでGPUコアを構成していた。これに対し、Radeon HD 7000シリーズでは16×4基のRadeonコア、スケジューラー、テクスチャユニット、キャッシュメモリーなどを統合した「GCN Compute Unit」が基本単位へと変更されている。これにより3D性能だけでなく、最近のGPUに求められる汎用コンピューティングでも高いパフォーマンスを発揮できるようになった。

AMD製GPUのコアアーキテクチャーの遷移。Radeon HD 6000世代ではVLIW4アーキテクチャーが採用されていた

 また製造プロセスもこれまでの40nmから28nmへと微細化されて、Radeon HD 6000シリーズよりトランジスター数が増加したにもかかわらず、消費電力は減少している。また電源管理機能「AMD PowerTune Technology」も改良され、より細かく動作クロックを変更できるほか、ディスプレーがオフになる状態でPCI Express以外の電力供給をカットする「AMD ZeroCore Power Technology」により、待機電力は3W以下に抑えられるなど省電力性も大幅に向上している。

「AMD Power Tune Technology」も改善され、より細かい動作クロックの調整が可能になった

アイドル時の待機電力を3W以下に抑える「AMD ZeroCore Power Technology」もRadeon HD 7000シリーズ注目機能のひとつ

 製品ラインナップはデュアルGPUのウルトラハイエンド「Radeon HD 7990」を筆頭に、ハイエンドモデル「Radeon HD 7970/7950」、アッパーミドル「Radeon HD 7870/7850」、ミドルレンジ「Radeon HD 7770/7750」の7モデル。ちなみにRadeon HD 7970は、6月から動作クロックが向上した「Radeon HD 7970 GHz Edition」へとアップデートされ、Radeon HD 7950もコアクロック向上とBoostクロック対応を果たした新BIOSモデル「Radeon HD 7950 with Boost」が新たにリリースされている。さらにAMDから正式発表はないもののRadeon HD 7870にもRadeon HD 7900シリーズの派生コア“Tahiti LE”採用をうたうモデルも登場している。

Radeon HD 7900シリーズ比較表
型番 Radeon HD 7990 Radeon HD 7970
GHz Edition
Radeon HD 7970 Radeon HD 7950
with Boost
Radeon HD 7950
コードネーム Tahiti Tahiti Tahiti Tahiti Tahiti
製造プロセス 28nm 28nm 28nm 28nm 28nm
シェーダーバージョン 5.0 5.0 5.0 5.0 5.0
ストリーミング
プロセッサー数
2048基×2 2048基 2048基 1792基 1792基
GPUクロック 900MHz 1000MHz 925MHz 800MHz 800MHz
Boostクロック 925MHz 1050MHz - 925MHz -
メモリークロック 5500MHz 6000MHz 5500MHz 5000MHz 5000MHz
メモリータイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリーバス幅 384bit 384bit 384bit 384bit 384bit
メモリー容量 6144MB 3072MB 3072MB 3072MB 3072MB
補助電源レイアウト 8+8+8ピン 8+6ピン 8+6ピン 6+6ピン 6+6ピン
DirectX対応 11.1 11.1 11.1 11.1 11.1
PCI Express 3.0 3.0 3.0 3.0 3.0
消費電力 500W 250W 250W 225W 200W
Radeon HD 7800/7700シリーズ比較表
型番 Radeon HD 7870 Radeon HD 7850 Radeon HD 7770 Radeon HD 7750
コードネーム Pitcairn Pitcairn CapeVerde CapeVerde
製造プロセス 28nm 28nm 28nm 28nm
シェーダーバージョン 5.0 5.0 5.0 5.0
ストリーミング
プロセッサー数
1280基 1024基 640基 512基
GPUクロック 1000MHz 860MHz 1000MHz 800MHz
Boostクロック - - - -
メモリークロック 4800MHz 4800MHz 4500MHz 4500MHz
メモリータイプ GDDR5 GDDR5 GDDR5 GDDR5
メモリーバス幅 256bit 256bit 128bit 128bit
メモリー容量 2048MB 2048MB 1024MB 1024MB
補助電源レイアウト 6+6ピン 6ピン 6ピン -
DirectX対応 11.1 11.1 11.1 11.1
PCI Express 3.0 3.0 3.0 3.0
消費電力 175W 130W 80W 55W

「Radeon HD 7970」をデュアル仕様としたシリーズ最高峰の「Radeon HD 7990」。3スロット占有のトリプルファンクーラーはまさに圧巻

性能だけでなく価格も最高峰。ミドルクラスのPCがまるまる一台購入できる

“Tahiti LE”コア採用した「Radeon HD 7870」搭載ビデオカード「Radeon HD 7870 jokerCard XT」。ストリームプロセッサー数は1280基→1536基へと増加し、Boostクロックにも対応するなどRadeon HD 7900シリーズに近い性能を発揮する

前へ 1 2 3 4 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事

注目ニュース

ASCII倶楽部

ピックアップ

ASCII.jpメール アキバマガジン

ASCII.jp RSS2.0 配信中