2012年も残すところあとわずか。今年も例年通りさまざまな新パーツが登場して自作市場を賑わしてきたのはご存知の通り。今回の主役となるAMDも例外ではなく、APU、CPU、GPUとも新アーキテクチャーへの移行が進み、いずれもまったく新しい製品へと生まれ変わっている。
そこで、全3回に分けてAMDプラットフォームの現状とオススメパーツを紹介していくことにしよう。これから年末商戦に向けて、PCを新調しようと考えているならば、本特集をぜひ参考にしていただきたい。
AMDプロセッサーの救世主
第2世代APU“Trinity”シリーズ
特集1回目に取り上げるのは“Trinity”こと第2世代APUだ。優れたGPU性能とコストパフォーマンスの高さからアキバでも好調で、今年前半戦やや元気のなかったAMDプロセッサーの救世主ともいえる製品だ。
製造プロセスは先代Llanoと同じ32nmプロセスだが、内部アーキテクチャはまったくの別物。CPUコアはAMD FXシリーズでも採用されるPiledriverコアで、TDPに余裕がある範囲内でクロックを向上させる「AMD Turbo CORE Technology」を実装する。さらに動作クロックも大幅に引き上げられ、フラグシップモデル「A10-5800K」では最高4.2GHzの高クロック動作を実現している。
GPUコアもLlanoのRadeon HD 6000DからHD 7000Dへと1世代進み、ローエンドのビデオカードを圧倒する素晴らしいパフォーマンスを発揮。ただし、GPUの内部構造はRadeon HD 7000シリーズのGCN(Graphics Core Next)アーキテクチャーではなくVLIW4アーキテクチャーで、実際にはRadeon HD 6000シリーズ相当となっている点を付け加えておく。
製品ラインナップは4コアモデルが「A10-5800K」「A10-5700」「A8-5600K」「A8-5500」、2コアモデルが「A6-5400K」「A4-5300」の計6モデルで、これまで通りモデルナンバーに“K”が付く製品は内部倍率によるチューニングに対応する。
なお実売価格はローエンドの「A4-5300」なら5000円前後、フラグシップモデルの「A10-5800K」でも1万2000円前後と非常にリーズナブル。軽い3Dゲームなら別途ビデオカードも不要なため、コストを抑えてPCを新調したいなら真っ先にオススメしたい製品だ。
Trinityスペック表 | ||||||
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型番 | A10-5800K | A10-5700 | A8-5600K | A8-5500 | A6-5400K | A4-5300 |
対応ソケット | Socket FM2 | |||||
コアクロック | 3.80GHz | 3.40GHz | 3.60GHz | 3.20GHz | 3.60GHz | 3.40GHz |
TCクロック | 4.20GHz | 4.00GHz | 3.90GHz | 3.70GHz | 3.80GHz | 3.60GHz |
コア数 | 4 | 4 | 4 | 4 | 2 | 2 |
L2キャッシュ | 4MB | 4MB | 4MB | 4MB | 1MB | 1MB |
倍率ロックフリー | ○ | - | ○ | - | ○ | - |
GPUコア | Radeon HD 7660D | Radeon HD 7660D | Radeon HD 7560D | Radeon HD 7560D | Radeon HD 7540D | Radeon HD 7480D |
シェーダ数 | 384基 | 384基 | 256基 | 256基 | 192基 | 128基 |
GPUクロック | 800MHz | 760MHz | 760MHz | 760MHz | 760MHz | 723MHz |
TDP | 100W | 65W | 100W | 65W | 65W | 65W |
実売価格 | 1万2200円前後 | 1万1900円前後 | 9400円前後 | 9000円前後 | 6000円前後 | 4700円前後 |
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