4月に発売された「File Maker Pro 12」と、App Storeから無料でダウンロードできる「FileMaker Go 12」の導入事例が増えている。今回、ファイルメーカー株式会社社長 ビル・エプリング氏とプロダクトマネージャーのエリック・ジェイコブソン氏に興味深い事例を伺った。
導入事例が着実に増えているFileMaker Go 12
── FileMaker Pro 12の発売から半年が経過しました。まずは、どのように市場が拡大しているかを聞かせてください。
エプリング 「FileMaker Pro 12は広くお客様に受け入れられ、記録的な成績を残すことができました。お客様は新機能を気に入ってくれている方が多いですね。
特に音楽、動画、写真や文書などのあらゆる形式のファイルをデータベース内に保管できるオブジェクトフィールドです。新たに画像のサムネイルが自動で生成され、ファイルのアップロードはドラッグ&ドロップで済むようになりました。また、動画や音楽はデータベースからストリーミング再生できます。このような機能強化や、40種類の新レイアウトテーマが素晴らしい、という声をいただいております。
さらに、iPhoneやiPadに向けたFileMaker Go 12(以下 FileMaker Go)が無料だということにも満足していただいてます」
── FileMaker Goの導入事例について教えてください。
ジェイコブソン 「いくつかの興味深い事例があります。そのひとつが歯科医向け製品を提供しているアメリカの大企業、ヘンリーシャイン社の事例です。歯科医用の情報が入っている800台のiPadを営業マンが使いながら、顧客とさまざまな製品の話ができるようになっています。
また、農業関連事業を幅広く手掛けるシーブリーズファームやアパレルブランドのベネトンにも導入していただいてます」
多くの事業のデータをひとつのデータベースで管理
放牧、ワイナリーや食肉店、チーズショップなどを運営しているシーブリーズファーム。放牧している牛は、1頭1頭の体重の変化、生産活動と履歴を記録し、データベース上に同期している。チーズ生産事業では、1回のチーズ作りの際に使用したミルクの種類や熟成期間を記録。食肉店では、お客様の希望に合わせ、カットする肉の注文と配達を記録している。これら全てをFileMaker Go for iPadで見ることで、農場の牛の生産レベルを把握しているそうだ。