体験イベントの数字が示したUltrabookへの購買欲
インテルは、10月~11月に渡って、札幌、名古屋、福岡の3ヵ所で、街頭体験イベントを開催した。
吉田社長は、「私自身、このイベントに参加して感じたのは、『えっ』という声をあげる来場者が多かったこと。ノートPCだと思っていたものが、変形してタブレット端末になることに、多くの人が驚きの声をあげた。これほどまでに反応がよかったのは過去に例がない」とする。
吉田社長が「過去に例がない反応の良さ」と語る理由は、数字の観点からも示される。
それぞれの体験会場でアンケートを収集した結果、事前の調査では、次に買い換えるPCをUltrabookにしたいと回答した人が15%に留まっていたが、この体験イベントに参加し、Ultrabookの説明を聞いた人では、22%が「とても購入したいと思う」と回答し、68%の人が「購入したいと思う」と回答した。つまり、回答者の90%がUltrabookを購入したいと回答したのだ。
さらに、興味深いのは、一般的なノートPCに比べて2万円高くてもUltrabookを購入するか、という質問に対して、87%の人がUltrabookを購入すると回答した結果がでた点だ。
コンバーチブル型や薄型、軽量、短時間での起動といったUltrabookならではの価値を認める来場者が多かったことが裏づけられる。
Ultrabookで攻勢をかけるインテル
インテルでは、Ultrabookのさらなる価値訴求がPCの購買にもつながるとして、今後もUltrabookに関する販促活動を強化していく考えである。
同社では、11月22日からUltrabookの新たなテレビCMを開始。テレビCMと連動したモバイルアプリケーションの提供や、インテル公式Facebookを利用したプロモーション、若年層に向けてUltrabookを訴求する「The PUBLIC Powered by Ultrabook」の開催などを予定している。
インテルの山本本部長は、「この1年はUltrabookに始まり、Ultrabookに終わったが、今後も、ライフスタイルをより楽しくできる提案、新しい層に対して、新しいUltrabookを訴求していく提案を積極化したい」と語る。
2年目を迎えたUltrabookは、PC市場活性化の起爆剤になりそうだ。
この連載の記事
-
第587回
ビジネス
メーカー自身が認定し、工場検査後に販売するパナソニックの中古家電 -
第586回
ビジネス
マイクロソフト、日本への4400億円のAI/データセンター投資の実際 -
第585回
ビジネス
日本市場の重要性を改めて認識する米国企業、変革期にある製造業がカギ -
第584回
ビジネス
NTT版の大規模言語モデル(LLM)、tsuzumiの商用化スタート、勝算は? -
第583回
ビジネス
エコ投資に取り組むエプソン、見方によっては10年で1兆円の投資も -
第582回
ビジネス
パナソニックコネクトの現在地点、柱に据えるBlue Yonder、ロボットとは? -
第581回
ビジネス
スタートして半年の日本NCRコマース、軸はAIとプラットフォームの2つ -
第580回
ビジネス
コンカーの第2章は始まるのか、SAPの生成AIを使って効率的な経費精算を -
第579回
ビジネス
AIの筋トレはいまから始めるべし、マイクロソフト津坂社長がCopilotの議論から得たもの -
第578回
ビジネス
大赤字からの再起はかるバルミューダ、その足掛かりは? -
第577回
ビジネス
日本の強さは量子力学におけるトンネル効果があるため、量子と出会い、広げよう - この連載の一覧へ