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ホットなゲーミングデバイスを徹底レビュー 第2回

入力デバイスを強化してゲームに差をつけよう【キーボード編】

2012年11月11日 12時00分更新

文● 加藤 勝明

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高機能ゲーミングモードの究極系
Logicool「G510」

実売価格:8780円前後
製品情報

 ここで紹介するロジクール製「Gaming Keyboard G510」と、次に紹介するA4Tech製「G800V」は、一見似たもの同士に見えるが、前者は機能山盛りで遊び心タップリの高級機、後者はコストダウンをしつつもゲームに必要な機能だけを揃えたエントリー機という感じだ。まずは高級ゲーミングキーボードの代表格、G510からチェックしてみたい。 

豊富なマクロキーにイルミネーション、そして専用の液晶ディスプレイを搭載した「Gaming Keyboard G510」は、ゲーミングキーボードの代表的な存在。横幅500mm、奥行き190mmとかなりデカい(同梱のパームレスト装備で約265mmまで長くなる)ので、ちょっと広めの机を確保しておこう

 G510の特徴は豊富な装備だ。16万色から選択できるキーボードバックライトは暗い部屋での視認性を高めてくれるし、専用液晶ディスプレイは時刻やメモリー使用量などのほかにゲームで有用な情報を表示することができる。さらにキーボード側にUSBオーディオのチップを載せており、キーボード側のヘッドフォン・マイク端子にアナログヘッドセットを直接接続して利用できる。これらはゲーミングキーボードの本質からはちょっと外れた要素だが、気分を盛り上げてくれる/便利な環境を作るという点では評価すべき装備といえる。

専用液晶にはCPU占有率や時刻表示のほか、アプレットをインストールすることで特定のゲームにおける情報(対戦成績など)を表示できる。ゲーム中にキーボード上に視線を動かしていいのか、というツッコミもあるが、マルチディスプレー環境と一緒で妙な全能感を盛り上げてくれる

キーボードのバックライトはそんなに強くないが、薄暗い部屋で使うと程々に目立つ。キーの数がとにかく多い製品なので、バックライトがないと機能をフルに発揮できなくなってしまう

専用液晶に何を表示内容は、設定ツール上であらかじめアプレットを選択しておく。このアプレット(GPAと呼ぶ)は自分で組み込むことが可能だが、ゲームと1対1で対応したGPAが必要になる。RSSリーダーとかプレイリスト表示などのゲームとは関係のないGPAが多く、ゲームのことだけを考えているとガッカリしてしまうだろう

バックライトの発光色は16万色の中から自由に調整できる(判別できるかどうかは別として)

後部にはヘッドフォンとマイク端子を装備。ボイスチェンジャーやノイズリダクション系の機能はないが、PC本体に直接アクセスできなくても、手元に端子があるのは非常に便利。キーボード右手のローラーでボリューム調整が可能だ

 さて本製品の真髄はといえば、左手側にびっしりと配置された18個のマクロキー、本製品では「Gキー」と呼ばれているキーの存在だ。設定ツールとキーボード自体の登録機能で好きなキーやマクロを割り当てられるのは先の「Blackwidow Tournament Edition」と同様だが、本製品では割り付け先がGキーに限定されている。Gキー以外のキーの変更は原則不可なのだ。

Gキーは6個ずつ3ブロックに分かれて配置されているので、慣れてしまえば手探りでも目的のキーにたどり着くことができる。最上段の「M1~M3」キーは「マクロキー」と呼ばれているが、これは他の製品で言うところの“プロファイル”を切り換える機能。「MR」キーはその場で簡単なキーマクロをGキーに割り当てるためのものだ

 Gキーはゲーム中のクイックチャットや簡単な指示をワンキーで出すような場合に威力を発揮するが、左手側にしかないので使われないキーも出てくる。特にFPS系だと指揮官系のキャラでないかぎり、WASDのキーから手を離せないことが多い。ゲームによってはGキーの使用を封印せざるを得ないのが残念だ。

設定ツールを導入すると、自動的にインストールされているゲームをスキャンし、プリセットのデータが読み込まれる。ゲーム用のマクロ作りで一番面倒なのは、ゲーム中の操作を洗い出してアクションとして登録する機能だが、登録済みのゲームであればその苦労の大半をショートカットできるわけだ

「Battlefield 3」用のプロファイルは設定ツール側に標準搭載されているので、ゲーム内の操作は左手の一覧に表示される。あとは割り当てたいコマンドを一覧から選び、好きなGキーに割り当てるだけだ

ゲームの設定がある程度固まったら、G510内のメモリーにプロファイルを転送しておこう

 ただひとつ残念なことは、キーがメンブレンという点だ。打鍵音がソフトだというメリットはあるが、キーがやや重い。「6Gv2」の黒軸版よりもやや軽い感じだが、メンブレン独特のクニャッとした印象なので、打鍵感のキレも今一つだ。
 キー配置は手前が高く、奥に行くほど低いという独特な設計だが、手首への負担は少なめなのは多いに評価できる。軽快な打ち心地だが全高の高い製品を使うか、やや劣るが平坦な製品を使うか、こればかりは実際に試してみて判断してほしい。

ごくごく一般的なメンブレンスイッチを採用しているため、キータッチに個性は感じられない。ストローク長5mmで、半分よりさらに下に押し込まないと反応しないため、高速入力はやや苦手だ

キー自体は非常に平面的で、スタンドを立ててもちっとも傾斜がついたようには感じない。高さがないため手首は痛くなりにくいが、もうちょっと手前を薄くして傾斜をつけてくれればよかった気がする

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