前へ 1 2 3 4 次へ

逃げる86、追うメロン号！　飛騨高山の激戦を勝ち抜け！

2012年10月31日 21時27分更新

文● 中村信博　●撮影／中島正義

運命のデイ2！　メロン号は奇蹟を起こせるのか!?

　10月14日、デイ2。昨日と違ってすっきりと秋らしい天候で、少し肌寒いが気持ちのいい朝だ。メロン号は6時43分にオーバーナイトパルクフェルメ（車両保管）を出て、本日最初のサービスDに入った。

昨日とはうって変わって、湿り気のない気持ちのいい朝。未明の冷え込みに、パルクフェルメで眠るマシンにはうっすらと霜が降りていた

サービスD、2日目のリスタートを前に、ドライバーの眞貝選手はシートで何を思うのか？

　昨日の後半のペースを今日も維持できるなら、メロン号は本日中にクラストップに立つことができるはず。問題はメロン号がトップに立った後の2番手以下の戦いで、このままCUSCO 86が3位でフィニッシュしてくれたら、シリーズポイント的に最終戦の「新城ラリー」が戦いやすくなるだろう。メロン号としては、今日の残る4本のステージをただ全開で走るのみだ。

SS（距離）	ステージタイム（トップ差）	クラス総合タイム（トップ差）
SS5／大山線 I （5.29km）	3:37.2（TOP）	33:13.7（TOP）
SS6／大山線 II （5.29km）	3:35.0（TOP）	36:48.7（TOP）

SS6／大山線 II

　メロン号、高速ステージ「大山線」を2本ともベストタイム。ついに27秒あったビハインドをひっくり返して、クラストップに立つことができた！

本日最終のサービスEに入るチェックポイント前で、時間調整をする各マシン。ライバル同士で情報を交換する得がたい機会だ

　そして、この日のデイポイント争いでも面白い展開となりつつあった。SS5で2番時計を奪ったのは、ここにきてスパートを開始したGAZOO 86（筒井克彦選手／永山聡一郎選手組）で、CUSCO 86はそれに遅れること1秒の4番手にとどまったのだ。その後、CUSCO 86はSS6でGAZOO 86に1.1秒先行し総合順位でも2番手に浮上したものの、イベント2位争いでは久與レビンと、デイポイント2位争いではGAZOO 86と熾烈な攻防戦を演じていて、完全に包囲網の中に抑え込まれてしまったのだ。

　GAZOO 86と上位陣のタイム差は1分近くあるから、残り2本のステージでGAZOO 86がイベント3位以内に浮上してくることは考えられない。でもGAZOO 86がデイ2順位で3位以内に入ってきてくれたら、CUSCO 86は2日目のデイポイントを得られなくなるので、チャンピオンに向けた戦いはさらにメロン号に有利になるだろう。風がメロン号に吹いてきている！