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塩田紳二のWindows 8 IN-N-OUT 第22回

アプリに合わせてサウンド再生を細かく制御するWindows 8

2012年10月12日 12時00分更新

文● 塩田紳二

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用途に応じて再生の
仕組みを切り替えるWindows 8

 さらにWindows 8では、サウンド機能に対してストリームごとに分けて、目的に応じたサウンド再生を可能にした。

名称 バックグラウンド再生 概要と動作 利用例
ForeGroundOnlyMedia
(フォアグラウンド専用メディア)
× フォアグラウンドでのみ再生されるサウンド。先に行なわれていた再生はミュートされる。 ゲーム、ビデオ再生
BackGroundCapableMedia
(バックグラウンド可能メディア)
音楽ファイル再生など。原則システムでただひとつだけ許される※2。Connected Standbyでも再生可能。 サウンドプレーヤー
Communications 音声によるコミュニケーション。低遅延オーディオモードが使われる。 VoIPソフト
Alert × システムやアプリケーションからのアラートや通知。再生中のサウンドがあれば、音量を下げてから出力される。 一般アプリケーション
GameMedia × ゲームで使われるBGM。 ゲーム
GameEffects × ゲーム内の効果音。再生中のストリームに重ねて再生される。 ゲーム
SoundEffects × 再生中のサウンドに重ねて再生されるサウンド。 サウンドアプリケーションなど
Other × その他のストリームすべて その他すべて

 音楽の再生はアプリケーションがバックグラウンドになったり、画面ロック状態になっても再生され続けるほうが便利だ。しかし動画再生のサウンドなら、動画再生アプリケーションがフォアグラウンドになっているときだけ出力された方が都合がいい場面が多い。またシステムの通知音やVoIPによる音声コミュニケーションなどは、目的に合わせた扱いが必要になる。

 Windows 7までは、アプリケーションはサウンドを出力しているときに、自身で状況を把握して制御しない限り、アプリケーションやシステムが停止するまでサウンドストリームを出力し続けていた。唯一あった例外は、音声通信のストリームが開始された時に、Windowsがそれ以外のサウンドのボリュームを自動的に下げる機能くらいだ。

Windows 7でのサウンドストリームの制御は、音声通信時にメディア再生の音量を下げる処理しかなかった

 Windows 8では、上の表にある8種類のサウンドストリームタイプが定義され、アプリケーションがこれを指定することで、Windowsがアプリケーションの状態に合わせて適切な処理をできるようになった。

 例えば、音楽再生アプリケーションで再生中に、スタートメニューや他のアプリケーションに切り替えても、音楽再生は続く。ここで動画を再生するアプリケーション(ビデオアプリケーション)が起動すると、音楽の再生は停まってビデオの音声が出力される。さらに他のアプリケーションを起動して、ビデオアプリケーションがバックグラウンドに入ると、ビデオの再生自体が停まり音声も出なくなる。Windows 8ではこうした動作が可能になる。

 ビデオや音楽アプリケーションでサウンドが出力されている間でも、通知などの警告音は出力される。このとき、ビデオや音楽のストリームは、音量を自動的に下げられるといった動作をするようにもなる。

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