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アドビ、Web開発ツールEdge投入でHTML5に本腰 (2/2)

2012年10月17日 10時00分更新

文●小橋川誠己/Web Professional編集部

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Webは進化する、であればしっかり関わりたい

――EdgeファミリーではHTML5の活用に力を入れていますが、今後のFlashとHTML5への取り組みはどうなりますか?

 プレミアムビデオやゲームなど、今でもFlashが優れている分野があり、Flashの開発は今後も継続していきます。ただ同時に、HTML5やCSS3などのWebスタンダード技術の改善にも継続的に取り組んでいます。

――ビデオやゲーム、特に3DなどのFlashの強みは、現状のWebスタンダードの弱みでもあり、アドビが貢献できる分野だと思います。Flashを存続させるために“出し惜しみ”はしませんか?

 現にFlashよりもいい技術は出てきていますし、Webスタンダードの技術は間違いなくこれからどんどん進化してよくなるでしょう。それはアドビが関わる、関わらないによらず、です。

 そうとなれば、アドビとしてもしっかりWebスタンダードに関わっていったほうがいい。私たちにはFlashを通して学んできた経験、資産がありますから、それらはWebの発展にも役立つはずです。

――日本には優れたFlashのクリエイターが多くいます。Flashクリエイターにはどのようなメッセージを届けますか?

 日本のFlashクリエイターはとてもすばらしいコンテンツを作っています。彼らには、Flash以外の技術にもぜひ目を向けてもらい、「いまのWebにはこんな技術が足りないよ」というのを教えてほしいと思っているんです。実は今回来日したのも、ユーザーである開発者に会って、何が望まれているのかを聞きたかったから。開発者が困っていること、ニーズを聞き出したいと思っています。

 もちろん、日本でのFlash開発者たちとの良好な関係はこれからも続けていきたいですね。Webで何ができるのかを一緒に考えていけたらと思っています。

――Webスタンダードへの貢献という面では、アドビも参加する「WebPlatform Document」が10月9日に始まりました。

 Webには技術情報をまとめて参照できる場所がこれまでありませんでした。WebデザイナーやWeb開発者は、分散するいろいろなWebサイトで情報を探していて不便でした。

 そこで1年ほど前から準備してきたのが、「WebPlatform Document」プロジェクトです。HTMLやCSSなどWebに関する技術情報を1カ所に集め、参照できるようにする取り組みで、W3Cやアップル、グーグル、フェイスブック、モジラ、マイクロソフト、オペラなどの団体と共同で進めています。それぞれの団体が得意な分野を担当していて、アドビはWebデザインを中心に協力しています。

W3Cやグーグルなどと共同で進めている「WebPlatform Document」。Wikiベースのドキュメントサイトだ

――楽しみなプロジェクトですが、現状は英語だけですよね。日本語にも対応してもらえるとうれしいのですが……。

 もちろん日本語を含む多言語対応も考えていますよ。ユーザーインターフェイスだけでなくドキュメントもローカライズしていく予定で、アドビも作業に協力できると考えています。WebPlatform DocumentはWikipediaのシステムをベースに構築しているので、多言語にも対応しやすいでしょう。

――最後に、日本のユーザーにメッセージがあれば。

 アドビはもともとクリエイティブから始まった会社です。クリエイティブがアドビのDNAなのです。Webがクリエイティブのプラットフォームになったいま、私たちにとってWebはとても大事なものです。

 Webで重要なのはコミュニティだと思っています。コミュニティと一緒に協力していくことで、Webは進化していく。コミュニティは興味を持っていれば誰でも参加できます。日本のWeb開発者、デザイナーにも積極的に参加してもらうことで、Webはよりニーズに合ったものになりますし、私たちもよりよいツールを提供できると考えています。

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