このページの本文へ

「HP Converged Cloud Summit」レポート

国内ユーザー事例も披露!HPのクラウドはここが違う

2012年10月10日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

10月9日、日本ヒューレット・パッカード(以下、HP)はアナリストとプレスに対し同社のクラウド戦略を説明する「HP Converged Cloud Summit」を開催した。「クラウドは散在から統合へ」をテーマに、ユーザー事例やAmazonのトップ独走に歯止めにかける施策が披露された。

HP Converged Cloudで目指す高みとは?

 サーバーの仮想化や自動化などを中心にクラウド対応を進めてきたHPが、クラウドサービスの展開に乗り出したのは、2011年。従来のクラウ対応抗製品をオンプレミス向けの製品と位置づけ、プライベート、マネージド、そしてパブリッククラウドと矢継ぎ早にサービスをリリースしている。性質の異なる複数のクラウドを組み合わせ、統合管理する環境を提供するクラウド戦略を同社では「HP Converged Cloud」と呼んでいる。

 冒頭、挨拶に立った日本ヒューレット・パッカード 代表取締役 社長執行役員の小出伸一氏は、CEOの交代やPC事業の売却騒動でHP自体の戦略が見えにくくなっていると反省の辞を述べつつ、「テクノロジーカンパニーとして、コアに回帰する」とグローバルでの方針を説明。ハードウェアやインフラを中心とするコア事業を主軸に据え、コア事業の拡大としてソフトウェア、コア事業の価値増大としてサービスの上にさまざまなソリューションを提供すると戦略を述べた。

日本ヒューレット・パッカード 代表取締役 社長執行役員の小出伸一氏

 今回のテーマとなるクラウドに関しては、多くのユーザー企業で導入間近と分析。一方、情報システムとのインタビューで得た意見として、「お客様の7割がメリットを理解している。しかし、その7割のうち、さらに7割はリスクをとりたくないと感じている」と指摘した。さらにユーザーや事業部門が独自にクラウドを導入する「サイロクラウド」が出現していると述べ、調査会社の見解と合わせ、今後ガバナンスの欠如が大きな課題になるとの見通しを示した。

クラウド時代本格化前夜の現実

 続いて、日本ヒューレット・パッカード 執行役員 CTOである山口宏直氏が、HP Converged Cloudについて「Choice」「Confidence」「Consistency」という3つの「C」で説明した。

日本ヒューレット・パッカード 執行役員 CTO 山口宏直氏

 Choiceはオープンで、APIが解放されていることを指す。OpenStackへの手厚いサポートを中心に、ベンダーロックインを回避する取り組みを積極的に行なっているという。「AWSに対抗するクラウド界のLinuxのような存在に育てていく」(山口氏)。また、Confidenceは経験や技術に裏打ちされた安心感、そして最後のConsistencyがさまざまなクラウドで統一したアーキテクチャを採用する一貫性に当たる。こうしたHP Converged Cloudでは、それぞれがシームレスにつながるほか、システムのライフサイクルにあわせ、異なるクラウドを適材適所で用いることができるという特徴を持つ。

HP Converged Cloudの特徴

 また、HP Softwareにより、大量なサーバーのプロビジョニングや管理の自動化が実現されているほか、マネージドクラウドであるEnterprise Cloud Services(ECS)ではグローバルでの提供や高いセキュリティなども大きな売りとなっていると説明した。さらにパブリッククラウド分野でもさまざまなサービスがスタートしており、低廉な価格と高いSLAを両立していると説明。パートナーも「みんなAWS一極集中はまずいと考えている」(山口氏)とのことで、手厚いサポートのあるHPのクラウドに協力し始めているとアピールした。

成功事例や実績などが高く評価

 イベントの後半では事例も紹介され、ユーザー自身が登壇し、導入した背景などを説明した。1社目として紹介された東京海上日動火災保険は、Lotus Notesをマネージドサービスである「ECS Messaging」のExchangeに移行し、運用からデータ保有までをHPに任せる。

東京海上日動火災保険 常務取締役 宇野直樹氏

 登壇した同社 常務取締役の宇野直樹氏は、オンプレミスを自家発電、クラウドを電力会社に例え、「われわれのようなIT部門は、以前からハードウェアやソフトウェアを調達し、うまく組み合わせてきた。おそらくグローバルでも同じように展開できるはずだが、人材や技術力を維持できない。そのため、HPさんのクラウドに移行し、いわば電力会社につなぐような感覚でITを使うことにした」と説明した。HP導入の背景としては、HPとの1990年代からのつきあいと実績のほか、HP自体が自社のクラウドを導入している点を挙げた。「自社で使っているのであれば、いいところも悪いところも含め、責任を持って運営しているだろうと思った」(宇野氏)とのこと。今年度末には、移行を完了する予定となっている。

 クラウドサービスでHP製品を全面導入しているGMOクラウド代表取締役社長の青山満氏は、運用管理のしやすさや信頼性の高さ、グローバルでの調達力を高く評価。サービスも1年で1400社以上の導入数を実現したとアピールした。そして、「5年前溜まるのに1年間かかったデータが、今では1日で集まってしまう」(青山氏)というスピード感の中、今後もHPとともに一歩先を行くクラウドを実現したいと抱負を述べた。

GMOクラウド代表取締役社長 青山満氏

 その後、山口氏の司会の基、インフラ、ソフトウェア、サービス、コンサルティングなどの各事業統括役員が、IBMやAmazonをライバルとして意識したHPの差別化ポイントをコメント。長年培ってきた実績やグローバル対応、ソフトウェアでの自動管理やテストソリューション、マイクロソフトやレッドハットなどとのパートナーシップ、網羅性の高いコンサルティングなどが挙げられた。

初出時、青山様の写真が誤っておりました。お詫びし、訂正させていただきます。(2012年10月10日)

カテゴリートップへ

ASCII.jp特設サイト

クラウド連載/すっきりわかった仮想化技術

ピックアップ