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「HP CloudAgileプログラム」を国内でも本格展開

HP、“オープンクラウド”推進に向けてクラウド事業者と協業

2013年09月09日 06時00分更新

文● 渡邊利和

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9月5日、日本ヒューレット・パッカード(HP)はすでに米国等で実施している「HP CloudAgileプログラム」を日本国内でも本格展開することを発表した。サーバーやストレージ、ネットワークスイッチなどのHPのハードウェア製品を活用してクラウドサービスを提供するクラウド事業者と協調し、互いのビジネスの拡大を目指す。

すでに6社の国内事業者と契約済み

 「HP CloudAgile(クラウドアジャイル)プログラム」は、「HPのテクノロジーを活用してクラウドサービスやクラウドソリューションをエンドユーザーに販売するビジネスパートナーを対象に、HPがグローバルに展開するビジネス支援プログラム」だと説明される。米国では2011年に開始され、米国およびEU圏ですでに50社超のパートナーが参加しているという。今回は、このプログラムを日本を含むアジア圏で提供開始することが発表された。

HPのクラウド戦略の概要紹介を行なった、日本ヒューレット・パッカードの執行役員 チーフ・テクノロジー・オフィサーの山口 浩直氏

 なお、発表に当たってはプログラムに参加するクラウド事業者として「NTTコミュニケーションズ」「IDCフロンティア」「インターネットイニシアティブ(IIJ)」「日立システムズ」「GMOインターネット」「GMOクラウド」の6社が公表された。

HP CloudAgileプログラムで提供される3要素

 プログラムでは、HPのハードウェアやテクノロジーを活用してクラウドサービスを実装するために必要な「技術支援」の提供に加え、「営業協調」と「サービス開発の加速」の3要素が柱となる。営業協調では、HPの営業が自社製品と同様の熱意を持ってパートナーのクラウドサービスの販売に協力するため、HPの営業がパートナーのクラウドサービスの販売に寄与した場合にはそれも営業成績として計上するという取り組みが行なわれる。また、サービス開発の加速策としては、ファイナンスサービスやトレーニング、デモ環境の提供などの支援によってクラウド事業者が新規サービスを開発/導入する際の負担の軽減が図られる。

 HPでは、“HP Converged Cloud”(HPコンバージドクラウド)というコンセプトに基づき、選択肢(Choice)、信頼性(Confidence)、整合性/一貫性(Consistency)の“3C”を提供するという取り組みを進めている。今回のHP CloudAgileプログラムの提供開始は、この取り組みの具体策の1つと位置づけられる。

HP Converged Cloudで重視される3つの“C”

 発表会には、NTTコミュニケーションズの理事 クラウドサービス部ホスティング&プラットフォームサービス部門長の関 洋介氏、IDCフロンティアの技術開発本部 本部長の林 眞樹氏、インターネットイニシアティブの執行役員 マーケティング本部長の松本 光吉氏、GMOクラウドの取締役 技術部門統括 兼 最高技術責任者(CTO)の唐澤 稔氏の4氏が同席し、それぞれ自社とHPのパートナーシップについて語った。

登壇者集合写真。左から、HPの山口氏、NTTコミュニケーションズの関氏、IDCフロンティアの林氏、インターネットイニシアティブの松本氏、GMOクラウドの唐澤氏、日本ヒューレット・パッカードの執行役員 エンタープライズグループ営業統括 クラウド営業統括本部長の松浪 幹生氏

 いずれも、信頼性の高い安定したハードウェアプラットフォームとしてHP製品を選定し、利用しているユーザーだということなので、「HPのプラットフォーム/テクノロジーを利用したクラウドサービスなら信頼できる」という認識を市場に広めることができるのであれば、このプログラムは成功だと評価できることになるだろう。

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