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このスマホ、ホントに買い? 話題のスマホ徹底レビュー 第27回

「らくらくスマートフォン」に見たAndroidの未来と可能性

2012年10月01日 12時00分更新

文● 林 佑樹

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Androidじゃなくてフィーチャーフォン?

 では、らくらくスマホの最大の特徴となる、インターフェースを見ていこう。Androidに慣れている人からすると、面食らってしまうくらい原形をとどめていない。まず、ボタンひとつひとつが大きく、フォントサイズも大きめ。ホームスクリーンにしても、縦スクロール前提で機能ごとに配置される形になっており、UIとしてはかなりフィーチャーフォンに近い。

 Android 4.0らしい画面は「設定」から「その他」に入って「開発者向けオプション」をタップするまで出くわさず、構造的にはらくらくホンユーザーの乗り換え先として提案されていることもあり、過去シリーズの操作体系を継承している。これがものすごくわかりやすく、そもそもこれはAndroidスマートフォンなどとは思わないで操作すると、とても快適だ。

 逆にAndroidだと思って触ると、バックキーがない、ステータスパネルが開けない、なんでタップが長押しなんだよ、などなどストレスが加速する。「こんなのAndroidじゃない!」と思うかもしれないが、汎用OSであるところのAndroidは、こういったカスタマイズもOKな懐の深さがあるのだ。

ロック画面はスッキリしているわりに、情報がきれいにまとまっている

ホームスクリーン。それぞれが指先大以上になっている。電話が大きいのは、シニア層がメールの返事を電話で行なうことが多いことと、そもそも電話の使用率が高いことから

ホームスクリーンをさらに下にスクロールすると、自分の電話番号表示ボタンやらくらくホンセンターにダイヤルなどが用意されている。また、アプリなどは「健康・生活・趣味」といったフォルダーに格納されているが、アクション的には「開く」をタップするため、フォルダーというイメージは沸きにくい

「健康・生活・趣味」を開いたところ。Androidというよりもiモード端末のような印象を受ける

「開発者向けオプション」にまでたどり着くと、ICSらしいビジュアルになる。上記写真を見ると「戻る」ボタンは必要な画面でしか表示されていないことがわかる。メニューキーも同様だ

 さて先ほど軽く書き流した「タップが長押し」操作だが、初めてタッチパネルデバイスを触る人が「触れる」「押す」の区別ができるようにするための配慮で、ミスタッチによる誤操作がなく、確実に操作できるようになる。すでにAndroidユーザーなのであれば、初めてAndroidスマホを触ったときのことを思い出してほしい。よくわからず誤タッチ連発だったハズだ。

spモードメールの画面。他機種もこれくらいでいいよと思うくらい、使い勝手よく感じた。愛用のXperia rayさんの各種フォルダーが小さすぎるのもあるかもしれないが

 押し心地は不思議で、ちゃんと押している感覚がある。正しくは押した際のバイブレーション機能のタイミングが秀逸で、疑似的に押した感覚を得ていることになる。何気に、この仕様は慣れてくるとこちらのほうがいいかなと思うのだが、文字入力時も同様の仕様なので、その部分だけがストレスになってしまった。なお、「触れる」「押す」の部分は、設定から変更することで従来のスマホ同様の操作感にもできる。メール用、通話用と割り切って狙う場合は覚えておくといいだろう。

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