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あいつら、未来に生きてるぜ!MMDの魅力を徹底解説 最終回

すべては愛のなせるワザ!美しすぎる3Dを作る「MMDer」たち

2012年09月15日 12時00分更新

文● kawara(@kawaraSAN

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ダンス、モーションの達人② /PACさん

緻密な美しいモーションを披露するPACさん(PAC室長)のデビュー作。第6回MMD杯に投稿され、本選期間に13万再生を叩き出した、その新人詐欺動画のリメイク作がこれ。

 デビュー作からして、なめらかすぎる、動きがすごいと絶賛された、MMD界きってのモーション職人・PACさん。かにひらさんのオリジナルモデルを使って制作される『お茶会シリーズ』には、毎回「魂実装済み」のタグがつけられ、惜しみのない称賛が贈られる。また、デビュー作以降は、「多段ボーン」という方式のモデル改造も手掛け、より簡単な操作や手間での美しい動きを追求することでも知られる(多段ボーン沼の「沼地の番人」という称号も……)。そんな室長・番人に、MMD制作について語っていただいた。


Interview with PAC――
MMDを通じて「楽しい」を見出してほしい


── MMDを始めたきっかけをお教えください。

MMDはわりと初期から見ていましたが、本格的に見始めたのは第3回MMD杯のころですね。第5回は特に豊作で、零戦P、ねるどらP、ツブラヤP、バイクPと、印象に残った回でした。そのころからMMDを触り始めました。モデルが増えたこともあって、自分でもなにか作れるかも、と思ったこともきっかけです。


―― CGや動画制作に興味はあったのですか?

いいえ。CGも動画も作ったことはありませんでした。なので、歩きや走り、ジャンプ、振り向くといったモーションを、3ヵ月ほど練習しました。で、人様に見せられるモーションが作れるようになったかなぁ、ということころで、第6回MMD杯の告知があったので、これは出てみようかと。

ネギに向かってジャンプしたり、パイプイス(破片)を投げたりする


―― ほかの方の上を行けるという自信はありました?

「魂実装済み」タグにあこがれていましたし、せめて一歩でも近づきたい思いで練習していました。そこで、人様に見せられる程度にはできているかなと、判断してもらう思いで杯に参加させていただきました。


―― その後の『はじめてのおともだち』も、ショートフィルムとしてもすばらしい 「魂実装済み」作品でした。

ちょうど、そのころ発表された、かきすけさんの『ちょうちょさんの体力がものすもい動画』にも影響を受けました。あれの中で、レア様の手を引くモーションがあったので、これはぜひオマージュしたいと。

ちょうちょさんの体力がものすもい動画

―― MMDをやった人ならわかりますが、本来バラバラのモデルが、手をぴったり合わせて動くって、めちゃ難しいですよね。なんでまた。

難しいけれど、面白そうと(笑)。だいたい、私の動機付けは、「面白そう」に集約されます。


―― その後、多段ボーンによるモデルの改造という「沼」にも手を出されるわけですが。

「実験室」のとき、標準ボーンの不便さをいやというほど味わわされて、改造したらもっと楽になるんじゃないかというのがスタートでしたね。そのモデル構造での練習の集大成が、「午後のお茶会」だったというわけです。

「午後のお茶会」。キャラ同士がハグしたり、ジャンプしたり、階段を上がったりする


―― お話を聞いていると、作品を作るために技術を磨いているのではなく、磨いた技術を披露するのが作品のように聞こえるのですが、そういう認識で間違いはありません?

そうです。自分の前回の動画でできなかったことを次に実践する。この繰り返しで2年、ずっと作ってきました。モデリングも始めましたが(注:精密な時計塔モデルを公開している)、それも、モーションという映像を作るために必要なものの一部としてです。だから、必要がなければやりません。


―― PACさんというと、MMDerには珍しく、計画的に毎日コツコツと作業されている印象ですが。

家に帰ってからは、ほぼ毎日3~5時間程度作業しています。計画的というか、今は趣味が自転車と読書程度ですから、何かほかに趣味ができるまでこんな感じかもしれません。


―― そこには、プラモデル制作的な楽しみがある?

そうですね。上達の楽しさ、ひとつの映像作品に仕上がっていく楽しさ、それに対する反応の楽しさ。いろいろ複合していますが、動機としては「楽しい」につきます。

オッサンホイホイなネタをからめる「しゅしゅミク」もチラリ


―― 今後は、どういったものを……

まだまだ、思う通りには動いてくれません。


―― えっ、そうなんですか。

まだまだです。それから、ダンスや殺陣、さまざまな走り方もやってみたいです。


―― ずばり、リアルなモーションの秘訣を教えてください。

人間の動きの観察ですね。観察は、結構しています。歩いているときの重心の寄り具合とか、体の傾く方向とか、足の振り方とか。人によって結構違うのも面白いですよ。ただ、完璧に真似るとおかしくなるので、アレンジもしています。


―― すごい観察眼と記憶力ですね。実際、観察していると、人間にボーン(モデルの操作ポイント)が見えてくるって、本当ですか?

はい、わりと見えますね(笑)。


PACさん マシン環境&使用ソフト

CPU:PhenomII X6 1055T 2.8GHz、メモリー:16GB
グラフィック:Radeon  HD6850(1GB)、OS:Windows 7 Professional
使用ソフト MMD、MMM、Aviutl、GIMP、Metasequoia、つんでれんこ、cubase5.5


PACさんおすすめMMD
半自動ぽいっとシステム

ぽっかぽっかPによる、ショートドラマ。毎回、ボーカロイド同士の心温まる内容に、文字通りぽっかぽっか。「この人はモーションもそうですが、お話の組み立ても面白くて、大ファンなんですよ」(PACさん)。僕もです!

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