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T教授の「戦略的衝動買い」 第208回

99.9%の文字認識率名刺管理「KYBER SmartCardBox」を衝動買い

2012年09月06日 12時00分更新

文● T教授、撮影● T教授

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スキャンしたデータは、99.99%の認識率
スキャン終了したらクラウドストレージに転送される

 KSCBでスキャンしてKYBERサービスに送られた名刺のデータは、99.99%の認識率で最長でも24時間以内に無料で提供されるKYBERサービスのユーザー・クラウドストレージに転送される。そして、同時に名刺データ認識終了の連絡がユーザーのスマート・フォンにプッシュ通知される。

認識結果がクラウドストレージに反映されたらスマート・フォンやPCからウェブブラウザーで閲覧できる

 ユーザーは、無償でダウンロードできるビューアーソフトとスマートフォンを利用して、認識済の名刺データベースから、任意の人に音声電話をしたりメールを出すことも可能だ。さらに、対象先の住所から地図を表示させたり、URLからウェブページを表示させたりすることも簡単にできる。

リスト表示から任意の人をタップすると、名刺イメージと、その認識結果のデータで何ができるかのアイコンが右端に表示される。上から電話アイコン「電話する」、封筒アイコン「メールする」、地球アイコン「URLからウェブページを表示」、ビルアイコン「住所から地図を表示」、矢印アイコン「連絡先に保存登録や他のクラウドサービスに転送する」、メモ&タグアイコン「メモやタグをつける」

ビルアイコンをタップすると、このように名刺の人の会社を地図上に表示する

 こういう実際の操作が、KSCBで名刺をスキャンしただけで、即効でできてしまうのは、OCR後のテキストデータが、ユーザーが修正する必要のない99.99%の文字認識精度を実現しているからほかならない。

面会日や場所などの手書き情報も認識してメモ欄に加えてくれるサービス付き

 では、その仕組みを簡単に説明してみよう。まずKSCBでスキャンされた名刺のJpeg画像は、インターネット経由でKYBERクラウドサービスのサーバーに送られ、そこで最初の処理として、“高精度のハードウエアOCR処理”をされる。

 OCRが終了した後は、名刺データのうち、氏名、会社名、所属、役職、住所、電話番号、メールアドレス、URLなどがバラバラのフィールドに切り取り分割され、その分割された各フィールドのJpeg画像(元データ)とOCR認識後のテキストがペアとなって、世界中に居る登録されたユビキタススタッフ(パートタイムワーカー)のスマートフォンやタブレット端末に送信・表示される。

 ユビキタススタッフは自分に送られてきた任意のフィールドだけのJpeg画像とOCR認識後のテキストを比較し、正誤の「◯」「?」判定だけを行ない、KYBERサービスのサーバーに自動的に送り返す。「?」の判定がされたフィールドだけは、センターで人力修正を加えられ、正しい認識に変換される。

スキャンデータはバラバラに認識するので、セキュリティーの心配は無し
最速で90秒くらいで手書き文字まで認識完了

 完璧なセキュリティーを担保するために、ジグソーのようにバラバラにされる前の名刺データ全体は、決して人の目に触れることはない。世界中のどこかに飛んでいった各フィールドごとのピースは、確実に時間と回収管理された生産管理システムにより、サーバー側で再度、元の名刺イメージ全体を構成し、その後、ユーザーのクラウドストレージに反映される。この間、最速だと90秒、遅くとも24時間以内にコンプリートするのがKSCBの全容というわけだ。

 人力によるフィールドごとの修正結果は、パターンとしてOCR認識機能改善の貴重なデータとしてインプットされ、今後、より高精度で強靭なOCRを実現することとなる。人力処理ばかりが注目を集めたKYBERサービスだが、現実はほかに類を見ないほど高性能なOCRシステムと、例外となった読み取りミスを完璧に補完する人力リソースの生産管理システム。そして、人力修正の結果を再度OCRシステムの向上に反映するテクノロジーのループ全部がKYBERシステムなのだ。

 ビジネスマンの中には、名刺に受け取った日付けや初めて面会した場所などを書き込む習慣のある人も多いと思うが、KSCBでは名刺に後で加えた手書きの1行も、人が読み取ることのできるレベルの文字なら、実は認識してテキスト化してくれる。これも、単なるOCR処理だけではなく、人力正誤判定とフィールドごとに認識を行うシステムの強みなのだ。

 新しくバージョンアップされたブラウザー型の「KYBER for WEB」の使い勝手も上々だ。大きなパソコン画面で多くの名刺を一覧してなんらかの処理をしたい場合や、クラウド上に保管した名刺データの全部及び一部の名刺データをCSVでダウンロードしたい場合などに活躍してくれそうだ。CSVデータを活用することで、独自の名刺データベースを構築することや、年賀状の宛名印刷など、その使途は大きく広がるだろう。

一覧製の優れたウェブブラウザー上のKYBER。CSVファイル変換などもここからできる

 筆者は、約120枚ほどの名刺を、KSCBで1枚1枚手差しで1時間以内で読み込みを終了した。24時間後の認識終了を期待して待ったが、実際は3時間後にはほぼ全数が認識を終えて、クラウド上で確認できた。その時点で、120枚の文字認識結果は“完璧な100%”だった。従来、PC接続のスキャナーや、名刺読取り専用機で同じことをやった結果は惨憺たる有様(70%以下)だったことを考えると、KSCBの認識率は夢のような数字だ。当然、修正の為の入力は皆無だ。

名刺を送って認識してくれる代行サービスも

 全部で約350枚ほどある筆者の名刺を、KSCBを使ってすべて手差しで読み込ませても、あと2時間ほどで終了するのは目に見えていたが、O-RID社がKSCBと同じくAmazonで販売中の「スキャン代行サービス」にも興味があったので、残りの200枚の名刺読み取り代行を依頼してみた。

Amazonで別売されている「スキャン代行サービス」のパッケージ。大量の名刺を一気に読ませたいユーザーにはベスト。1000枚のスキャンサービスも別途販売されている

 これはKSCBのオプション・サービスとして、5980円で200枚の名刺をKYBERのサーバー側で一括して読み取り、OCR処理、正誤判定、修正入力処理を行ない、結果を注文ユーザーのクラウドストレージに収納してくれる“おまかせサービス”だ。名刺が200枚収納できる紙のボックスと、宛先ラベルの貼られたレターパックなどが同梱されている。1000枚のサービスもあり、ケタ違いの名刺ストックを持っているユーザーには朗報だ。

同梱されている紙箱を組み立てて、名刺を200枚入れて、添え書きを書いて貼り付けてレターパックでポストに入れるだけ。3日ほどしたら、テキスト化された200枚の名刺がクラウドストレージに送られてくる。もちろん名刺も送り返されてくる。

「スキャン代行サービス」を申し込みはKYBERの自分のページからできる

「スキャン代行サービス」の注文最終確認ページ

 市場には多くの名刺読み取り関連機器が存在するが、もしセキュリティーの完璧さと、認識精度の高さ、トータルコストの妥当性、の3つを同時に考えるならKSCB以外を選択する要素は皆無だ。KSCBは、2年に1回あるか、ないかの衝動買いの成功ケースの最右翼だ。


T教授

今回の衝動買い

アイテム:「KYBER SmartCardBox」(Wi-Fiモデル)
価格:Amazonにて2万9800円(2年間の認識サービス、クラウドディスクでの保管料込み)で購入

T教授

 日本IBMから某国立大芸術学部教授になるも、1年で迷走開始。今はプロのマルチ・パートタイマーで、衝動買いの達人。
 T教授も関わるhttp://www.facebook.com/KOROBOCLで文具活用による「他力創発」を実験中。

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