総合テスト以外の6項目の細目は、総合テストでも使われている項目と、そのテスト限定の項目がある。例えば軽量テスト「Lightweight」の中で、総合テストにない項目で大きな差が付いているのは「Web browsing with 3 tabs」である。
また「Entertainment」テストでは、「Web browsing with 2x3 tabs / Web browsing2」で、なんと+684%もの差が付いた。Windows 7 SP1の標準ウェブブラウザーはIE8で、Windows 8はIE10という違いがあるので、これはOSというよりも、ブラウザコンポーネントの性能差と考えるべきかもしれない。
一方で、Windows 7の方が8より好成績だった「Creativity」の細目を比較すると、「Video transcording - high quality」が大幅に低い。この項目だけが極端に低い理由はわからなかったが、イメージ処理すべてがWindows 8で向上しているわけではない。「System storage」のテストでは、ほぼすべての項目が誤差程度の差しかなかった。傾向としてはCrystalDiskMarkと同様だろう。
Windows 8ではビデオのダウンスケールと多くのイメージ処理で性能が向上しており、全体を通して見ると、イメージ処理性能がPCMark 7のスコアをかさ上げしていることがわかる。これはWindows 8導入のメリットとなるだろう。
グラフィックスドライバーの性能がでれば
Windows 8は7より快適に
しかし現状のRTM版と同梱ドライバーで十分な性能・機能が実現されているかと言えば、これは疑問が残る。実はPCMark 7のほかに、ベンチマークプログラムとしては著名な「Sandra 2012」もテストしてみたのだが、Windows 8ではいくつかのテストでグラフィックスドライバーに関するエラーが出ていた。またビデオトランスコード系のテスト項目では、Sandra 2012が異常終了してしまい、今回は記事に反映できなかった。もっとも、これはSandra側の問題かもしれない。
特集第2回の「Lenovo B520p」で、Windows 8導入後にプレインストールのゲームが動作しなかったのも、Intel HD Graphicsのドライバーが、ゲームに必要なOpenGLをサポートしていなかったためだ。一方、現在インテルが公開しているWindows 8用ドライバーはRelease Preview用のもので、これをインストールしてもSandraのエラーは止まらなかった。
Windows 8のドライバー関係では、グラフィックスドライバーが「WDDM 1.2」対応になったことと(7はWDDM 1.1)、プリンタドライバー関連に変更が加えられている(ただしWinodows 7のドライバーもそのまま利用可能)。
今回の特集では、少々Intel HD Graphicsに影響されすぎた面もあるが、独立GPUのグラフィックスカードを使わないパソコンが多くを占めている以上、テスト環境は市販のPCとほぼ似たような構成なのは間違いない。Windows 8の正式販売開始前に、グラフィックスドライバーの品質が向上することに強く期待したい。
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