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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第123回

最新のAndroidスマホをビジネスにプライベートに活用する技

2012年07月19日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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やっぱりガラケー機能はあった方が便利!

 日本メーカー製端末ならではのガラケー機能も全部入っている。ガラケーユーザーがスマホにしない理由の1つであるおサイフケータイも搭載。やっぱり、カード型のSuicaを持たずに済むのはラクだ。筆者はカードとお金を別に持っているのだが、カードを入れた財布を忘れることがたびたびある。そのつど切符を買うのだが、絶対に持っているスマホが使えるならその手間が省ける。また、チャージの手間がかからないのもいい。スマホアプリならクレジットカードで入金できる。通常のカード型Suicaなら、ビューカードが必要になる。持っていない人は、端末で入金しなければならないのだ。

 マツモトキヨシやビックカメラ、ヨドバシカメラなどのポイントカードとしても使えるので、財布の中のカードを減らすのにも役立つ。最新Androidスマホを持つなら、可能な限りのカードを統合することをお勧めする。その代わり、スマホを紛失しないように注意していただきたい。

SuicaやEdy、各種ポイントカードなどさまざまなサービスをまとめて利用できる

 スマホで連絡先を交換する方法もずいぶん広まった。BluetoothやQRコードを使い、連絡先をゲットしていることだろう。とはいえ、ガラケーユーザーと連絡先を交換するなら、やはり赤外線通信があった方が話が早い。デジタルとは縁のない人たちとの交流に役立つだろう。

赤外線通信ならガラケーユーザーと簡単に連絡先を交換できる

 筆者は普段、スマホ選びの際にあまりワンセグ機能を重視していない。スマホの大画面で見るとどうしても画質がよくないためだが、今年はロンドンオリンピックがあるので、出先で見たい試合があるかもしれない。そのため今は、ワンセグ搭載スマホに食指が動いている状態だ。さらに、最近大きな地震が頻発している。災害時にネットが切れた状態でも利用できるワンセグはあった方が安心ということもある。もちろん全部入りの「AQUOS PHONE ZETA」はワンセグも搭載。アンテナは内蔵タイプなので、引き出したりする手間がないのもいい。

今年は特にワンセグが欲しいところ

LTE接続やテザリングは魅力的

 ドコモのLTEサービス「Xi」に対応しているのも大きな魅力だ。最大通信速度は75Mbpsと高速。iPhoneは今のところ3Gのみの対応で、iPhone 4が最大7.2Mbps、iPhone 4S(ソフトバンク版)でも最大14.4Mbpsと何倍もの開きがある。実効速度の速さに加えて、通話エリアの充実度も文句なし。通信面に関しては不満はないだろう。さらに、iPhoneにはないキラー機能のひとつ「テザリング」も見逃せない。同時に接続できるのは5台までとやや少ないものの、「AQUOS PHONE ZETA」をモバイルルーターとして活用できるのはうれしいところ。iPad用やゲーム機、PC用にモバイルルーターを契約している人は、テザリングを利用すれば月額料金を大幅に抑えられる。

 テザリングを有効にすれば、本体に加えて、PCやiPadでもネット接続を利用できる。モバイルルーターなしに、ネットが使えるのは便利だ。喫茶店などで打ち合わせをしているときに、相手のPCでもネットを使わせてあげれば感心されることだろう。

 ただし、当月の通信量が7GB(Xiパケ・ホーダイ フラットの場合)を超えると、その後月末までは最大128kbpsに速度制限がかけられてしまう。PCやiPadでテザリングし、YouTubeを閲覧するようなことはしないほうがいいだろう。通常のウェブ閲覧やメールのやりとりでは、そう簡単に制限まで使うことはないはずだ。

通信速度計測アプリ「Speed Test」で計測した結果。実効速度は下り12Mbps

「設定」→「無線とネットワーク」→「ネットワーク設定」→「テザリング」→「Wi-Fi テザリング」で有効にできる

iPadやPCでXi回線を利用してネット接続できる

CPUもOSもパワーアップして使い勝手が向上

 「AQUOS PHONE ZETA」のCPUは1.5GHz駆動のデュアルコアを搭載し、高速処理が可能。以前のAndroidはどうしてももっさりした動作だったが、今時の端末はぬるぬる動く。高速通信との相乗効果で、操作感は上々。iPhone 4Sを追撃できるところまで進化してきた。遅いCPUだと、オフィス文書やPDFファイルを開くのにしばらく待たされ、スクロールするたびに動作が止まっていたものだが、最新スマホならサクサク閲覧できる。シミュレーションゲームの思考時間も格段に短くなっており、ゲーム好きにもうれしいところ。

 OSもAndroid 2.3からAndroid 4にバージョンアップした。従来のAndroidスマホとはインターフェースが変わってしまったが、慣れればさらに使いやすくなっている。画面キャプチャーも電源ボタンとボリュームダウンボタンを同時に長押しすれば撮れる。

大きなエクセル文書も瞬時に開き、軽快にスクロールして閲覧できる

物理キーではなくソフトキーを搭載。Android 4.0端末だがメニューキーも用意されている

今時の全部入りスマホは買い換える価値あり!

 「AQUOS PHONE ZETA」は「おくだけ充電」にも対応している。ワイヤレス給電規格の“Qi”をサポートしており、付属の充電台に載せるだけで充電できるのだ。Qiの便利さは「ワイヤレス給電規格「Qi」対応機器で充電忘れを防ぐ技」を参照してほしい。

 今時の全部入りスマホはガラケーからAndroidデビューするのにぴったりだ。それどころか、一度Androidスマホに絶望した人にも再チャレンジしていただきたいところ。機能を詰め込みすぎて動作が重いなんてことはない。サクサク動作で便利機能を満載。最新OSで使い勝手が良いと三拍子が揃っている。スマホデビューもしくは機種変更を考えているなら、2012年夏のAndroidスマホをじっくりと検討することをお勧めする。


筆者紹介─柳谷智宣

著者近影 柳谷智宣

1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスPCテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「ポケット百科 GALAXY SII LTE 知りたいことがズバッとわかる本」(翔泳社)「Twitter Perfect GuideBook」(ソーテック社)、「Dropbox WORKING」(翔泳社)、「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)。


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