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クラウド、NAS、HDD! マイビッグデータ時代をこう乗り切れ!

2012年07月10日 11時00分更新

文● ASCII.jpライフスタイル向上委員会(仮)、写真●曽根田元

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その道に詳しいASCII.jpの編集者が、独自の視点によって読者の夏のお買い物をサポートする企画。第8回のテーマは「マイビッグデータ」。ここではASCII.jpライフスタイル向上委員会(仮)による座談会形式で製品を紹介していく。

写真や動画、音楽に書類……仕事やプライベートで、とにかくデータが増えすぎて困っている読者は多いだろう。そこで、編集部のおなじみのメンバーに、それぞれどのようにデータを管理・保存しているのか、またNASやRAID、クラウドサービスの活用法について語ってもらった。

みんなでかいデータをどうしてる?
――「とにかくHDDを足す」が多数派

ASCII.jp編集部 大谷

大谷 最近ITの世界、特にエンタープライズ系の業界で「ビッグデータ解析」とかいう表現がよく使われるのですが、今回はそういう意味じゃない(笑)。自分たちが個人的に持っているデータもでかくなっているな、という割と切実な問題だったりします。私の家のマシンも動画や写真がとにかくめちゃくちゃいっぱいになってます。仕事のデータにしても、取材したビデオや音声もすごくでかいことになっていて、例えばMicrosoft OneNoteに記録されているデータだけでもかなりの容量になる。個人的に皆さんがこれをどうしてるのか気になるんですよね。

後藤 既存のクラウドサービスは容量の制限があるので、でかいデータはいざというときは自宅のマシンから直接持ってくるという感じにしてます。バックアップに関しては、もう一つシェアソフトを使って、仕事場のNASに送ってしまいますね。普通の人の環境とは多分違うんじゃないかと。そこまでするやつはいない(笑)。

村山 僕の場合は、そういうNASとか文明の利器はあまり使えない……まだ人間ではなくゴリラなので、もう物理的にHDDをいっぱい足す。もしくは、外付けHDDに今まで使っていた1ヶ月分のデータは全部突っ込むと。そしてだいたい3~4ヵ月に一回、実家に行く用事があるので、実家に物理的に退避させてます。

大谷 ある意味、災害対策ですね。

村山 ほぼ災害対策ですよ。東日本大震災が起こったときは、この方法で正解だったなと。ただ僕、実家が栃木なんで、待避先の方が震源に近かったという……。

やはりローカルが便利なのかも

――バックアップは手のかかる作業というイメージもありますが、ソフトを使ったりもしているのですか?

小林 僕はあとで紹介するSyncwithというソフトを使っていますが、これは基本的にHDDからHDDにコピーするだけです。容量が足りなければいっぱいHDDを買えばいい。普通はそれでいいんじゃないですか? 2TBとか3TBのデータを保存しようと思ったら、HDDしか選択肢がないと思います。HDDからHDDに直接コピーするのは、転送速度も理由ですね。NASとかオンラインバックアップは、大量の画像や動画を保存するには、遅くて効率が悪いと思いますよ。

後藤 ギガビット Ethernetでやれば、わりと大容量でもいけますよ。

大谷 そうなんだけど、無線LANに一度慣れちゃうと、有線LANにつなぎ直すのがめんどくさい。ファイル転送のためだけに有線にするかっていうと、わざわざやってられないというのが正直なところでは?

小林 ですね。だから普通に、USB 3.0とか、eSATAのHDD買ってきてマシンに直結するのが一番いいんじゃないですか。

大谷 確かにUSB 3.0なら転送速度も速いし、価格も安いから便利ですよね。

小林 でもUSB 3.0に対応していると言ってもけっこう製品によって速度にバラつきがあるので。きちんとした品質のものを買おうと思ったら、まだまだ意外に高いんですよ。ひと口に外付けのHDDと言っても、数千円の価格差がある。

大谷 じゃあ夏ボではまだ買う時期ではないんですか。

小林 いや、欲しいときが買いどきでしょう。

村山 どっちだ(笑)。

小林 今買うならUSB 3.0がいいと思うけど、安いのでお茶を濁すか、高いけどハイパフォーマンスのを買うかって悩みがあると思うんですよ。もうひとつが、何TB買うか。テレビのバックアップ用に使おうとすると、2TBまでしか対応してないテレビとかレコーダーが多いんですよね。

後藤 確かに、今出ているレコーダーだと2TB対応のものが多いですね。

小林 ビット単価でいくと今は3TBが一番いいんですよ。3TBでいくか、汎用性を考えて2TBでいくか。もう何も考えないで、デスクトップならベアの速度は普通だけど安いやつ(ウェスタンデジタルのCaviar Greenとか)を買ってきて、とりあえず容量だけ確保するという考え方もある。起動ディスクとして頻繁にアクセスするなら遅いHDDはありえないんだけど、セカンドドライブとしてアーカイブだけすればいいということだったら、多少遅くても、容量が多くて安いモノを買えばいい。

WD Caviar Green

倉庫用として人気が高いHDD。速度は他製品より遅めだが、コストパフォーマンスは抜群だ。

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大谷 バックアップは手動でやってるとどうしてもミスが発生するので、なるべく自動化したいんだけど、うまく自動化できるものってなかなかないですよね。

小林 個人的に重宝しているのは、アイ・オー・データのHDDについてくるシンクロソフトで、HDD内の更新したデータをみつけて、差分だけ起動したときにバックアップ取ってくれる。意外とあれがいいですね。

ASCII.jp編集部 小林

盛田 便利ですね。普通につなげばできるんですか。

小林 タイムスケジュールもできるんだけど、起動したときに必ずやるみたいな設定もできるから、起動したときに例えば「マイドキュメント」とか、いつも保存しているフォルダーを設定しておけば、そこで変更があったときに、バックアップを取ってくれます。

盛田 システムファイルのコピーは?。

小林 できないものはもちろんあります。Windowsの場合、不可視ファイルとかシステムファイルがエクスプローラー上で見えないから、そこの取り扱いが難しくて、最近はメーラーのデータをバックアップしようと思ったときに、アプリケーションデータっていうフォルダーの下に見えないフォルダーが作られて、その中にいろいろ入ったりするでしょ。ただ、本当に守りたいものは自分の作ったファイルのはずです。OSは再設定すれば済む。

盛田 なるほど。

アイ・オー・データ Sync with

アイ・オー・データが提供するバックアップソフト。対象製品を購入すると無料で利用できる。フォルダー間を定期的に同期し、大事なデータのバックアップを取ることができる。フォルダとコピー先を指定すれば、アイコンをクリックするだけで簡単に実行できる。

――ベアのHDDを買うなら、NASという手もありますね。

大谷 昔はRAIDもめんどくさかったんだけど、最近のやつはディスクアレイの装置自体が勝手に自動的にやってくれるので便利。ネットギアは普通にHDDに入れれば容量増えるし、データ保護もしてくれるので、すごく楽です。

後藤 QNAPとかは、メディアサーバーの機能とかFTPとか、PHPとかPerlも入っていて、「これWebサーバーじゃん」ってノリになってるじゃないですか。使い込みができておもしろいですよね。

QNAP TS-412 Turbo NAS

1台でデータ保存、共有、セキュリティの機能をこなすシンプルなNAS製品。Webサーバー、FTPサーバー、UPnPメディアサーバー、ダウンロードサーバー、データベースサーバー、ファイルサーバー等の機能が使用できる上、設定方法もチェックボックスを押すだけという簡単さが売り。

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ネットギア RND4000-200AJS

1.6GHzの高速CPUを採用し、従来のNASの2倍の速度を実現。ファイル転送やバックアップを最大20%高速化できる。価格もお手頃なのが嬉しい。USB 3.0ポートを2つを備えている。

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――RAIDなどを活用している人はいますか。

大谷 Droboはよさそうですよね。ディスクアレイで、足したいときにディスクの容量を揃えないでそのまま増設できる。RAID相当のことをやってくれているので、ディスク保護もやってくれる。個人で買うにはちょっと高額ですが。

データロボティックス Drobo(ディー・ロボ)

独自のディスクアレイ技術である「Beyond RAID」を実装したSATAであれば対応ケース。ベアHDDを足していくだけで設定やRAID構築作業を自動で処理してくれる。3.5インチSATAであれば回転数や容量・メーカーの異なるHDDでもディスクアレイが構築できる。

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膨大な量の動画と写真のアーカイブは
HDDとクラウドサービスを上手に活用しよう!

ASCII.jpライター 後藤

村山 市販のHDDにはAV用途のものってありますよね?

後藤 レコーダーに使われてるHDDは、わりと耐久性もテストされていて、だから高いらしいですよ。PCに使われているHDDとはまた違うんですよ。

金子 AV用ってありますよね。命令セットも違ったり。

後藤 信頼性と静音性。とにかく壊れにくいという点が違ってるんですね。

BUFFALO HD-AVSU2/Vシリーズ

テレビやBDレコーダー向けの外付けHDD。Panasonic DIGAの推奨モデル。2TBと1TBをラインナップ。高信頼のドライブを採用し、ファンレス及び下面吸気で静音化を実現。省電量化や防振設計など、長時間稼働にも耐える仕様となっている。

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村山 録音機の話が出ましたが、写真の保存にも意外に容量が必要なんですよね。

大谷 うちは子どもの写真がすごく増えてきちゃって、最初はDVDで焼いてたんですけど、だんだん容量がでかくなっていって、何回も焼かなきゃいけなくなってくるんですよ。しかも最近のは、普通にデジカメとかでも動画撮れるじゃないですか。うちはビデオは持ってないんですけど、動画とか撮りだすとさらにデータ量がでかくなってきちゃって、DVDでは限界を感じています。

――写真に関しては、Picasaに入れたり、写真専用のクラウドサービスがたくさんあります。Eye-Fiなど無線LAN内臓のSDメモリーカードも登場していて、連携も可能です。

大谷 これさ、Eye-FiとFlashAirって何がどう違うんですか?

金子 FlashAirは、東芝の無線LAN内蔵のSDカードです。デジカメの中にWebサーバーを立てる形なので、自動で同期するとかはない。Eye-Fiの場合は、歴史があるんで、連携機能が充実していて、写真を撮ると、それが無線LANでサーバーに上がって、PicasaとかローカルのPCに自動で転送してくれるんです。

東芝 FlashAir

容量8GBのSDHCメモリーカードに無線LANを搭載した製品。デジカメとスマートフォンを簡単に連携させることができる。撮影した画像データを端末側に送る機能を強化しているのが特徴。

アイファイジャパン Eye-fi

Wi-Fiを搭載したデジタルカメラ用SDカード。デジカメで撮影した画像や動画などのデータをAndroid2.2以降の搭載端末に直接転送できる。Flicker、Picasa、TypePadなどのサービスへ画像を直接アップロードすることが可能。

Google Picasa

Googleが提供する無料の画像管理ソフトウェア。インストールするとPC内のすべての画像を検索し、ライブラリに取り込んでくれる。Google+で画像を投稿すると自動でWebアルバムにアップロードするなど、ソーシャルネットワークとの連携サービスを強化している。

村山 じゃあ金子さん的にはEye-Fiの方が使い勝手がいいですか。

金子 まあ自動でやってくれるので使いやすいですね。iPhoneからデジカメにアクセスしてデータを持ってくる、というのがFlashAirです。すぐにフェイスブックとかにアップしたいものを、iPhone上で確認して送るようなイメージです。

盛田 なるほど、用途に違いが出てくるわけですね。

多様化するPC環境――クラウド環境は必須!

ASCII.jp編集部 盛田

小林 クラウドの話が出たけど、最近1台のマシンで仕事が完結しない。だからどこに保存しておいて、どこからでも見られるようにするかっていうのを決めなきゃいけない。バックアップってどっちかって言うとそっちの目的が主になっている気がしていて。

村山 確かにそうですね。

小林 でもNASは基本はLAN内で使うものじゃないですか。そう考えるとやっぱりクラウドが便利かなぁと。同期型だとDropboxSugarSyncGoogle Driveなどがあって、置けるだけのやつだとSkyDriveFirestorageなどがある。

Dropbox公式サイト

 この中ではDropboxがシンプルで使いやすいかな。なんでそう思うのかって言うと、ASCII.jp編集部内のファイル共有をSugarSyncでやろうとしたんだけど、営業部の人間がSugarSyncは使い方がよくわからないって言い出して、運用できなかった。でもDropboxはそういう話が出なかった。だからDropboxは導入が楽なんだろうなと思ったんです。

大谷 へぇ~。どこが違うんだろうね?

森田 SugarSyncの方が機能が多いんですよね。多いから逆に分かりづらいのかもしれない。

小林 そうなんですよね。確かにSugarSyncの方が色々できるって面はあるためPCを使い込む人にとってはいいのですが……。

SugerSync公式サイト

大谷 実は去年マシンがウィルスにやられてデータ飛んじゃったときに、SugerSyncに救われたことがあった。ファイルも何世代か前まで履歴として残しておいてくれるので、ゴミ箱を空にしたよなー(泣)と思ってたのに、まだ残っていた。ラッキーだと感じた。

SkyDrive公式サイト

小林 容量で言うと実はSkyDriveも結構便利なんだよね。なんか最近、もうファイルはメールに直接添付するんじゃなくて、ちゃんとSkyDriveとかに入れて欲しいなって思うんだよね。実はHotmailに容量の大きなファイルを添付すると自動的にSkyDriveに入るんですよ。

後藤 そうそう、でかいデータでも一回SkyDriveに上げてくれるんですよね。SkyDriveはHotmailとかLivemailとリンクしているって意味で使いやすいですし、さっき出てましたけど履歴もたどれるんですよ。さらにMS純正なのでOfficeのファイルがなんでも見られる。例えばSkyDriveにパワポを上げとくと、そのままオンラインでブラウザ上でプレゼンできたりする。HotmailをはじめとしたMS系のサービスとの連携を考えるととても便利です。

結局クラウドサービスって有料・無料、どっちが得なの?

小林 DropboxやSugarSyncは20~30GBで、60GBくらい入っておくとノートPCくらいのデータだったら全部入っちゃうんでいいかもしれないです。僕はSugerSyncの3GBプランを利用していますが、月額525円と価格もリーズナブル。

後藤 結構安いですね。100GBで1年1万5800円ですよ。

小林 まあ100GB使う人にはいいんだけどね。SugarSyncは月525円で30GBだから。比較するなら無料分だけじゃなくて有料分も見ないといけないですよね。

大谷 俺もそのまま有料契約してるけど全然元がとれているよ。

オンラインストレージ比較
サービス名 容量(無料) 1ファイル 容量(有料)
Dropbox 2GB 300MB 最大100GB
SugerSync 5GB 100GB 最大500GB
Google Drive 5GB 10GB 最大16TB
Safesync - 無制限 最大100GB
ASUS webstrage 2GB 500GB(最大2GB) 最大500GB

小林 まあそれぞれ意外と個性があるんだよね。ただDropboxとSugarSyncと、あとEVERNOTEぐらいは鉄板で全部入れとけ、と個人的には思う。

金子 こういうオンラインストレージって基本的にデータはどんどん増えていくから、使っていくとランニングコストも増えていくのが心配ではあるんですけど。利便性を考えれば有料プランでもおつりがくる感覚です。

大谷 確かにオンラインストレージサービスはお金を出す価値がありますよね。みんなもっと有料版を使っていいと思う。ただ正直容量以外のメリットが欲しいところではある。たとえばスピードが速いとか。ファイル転送サービスだと有料だと速かったりするの結構あるじゃないですか。そういうのにお金を払う人もいるんじゃないかな。

盛田 そういえば、友達を紹介すると容量が手に入りますね。おそらくDropboxを2GBのままで使ってる人ってあまりいないと思うんですよ。

金子 1人紹介で512MB増えますからね。2人紹介すればもう1GBですよ。私はDropboxの無料だけど10GB近く稼いであるんで。

大谷 金子がDropboxを使え使え言ってくるのは、そういうことだったのか!

一同 (笑)。

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