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売り場で迷わない! スマホ周辺機器の選び方 第3回

手回し充電の新機軸! ソニーの合体型ポータブルバッテリー

2012年06月04日 12時00分更新

文● 行正和義

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30分回し続ければ数分間ウェブやメールが使える

ユニット間の接続は、6つの接点があるやや大きめの専用コネクターで行なう。とくにロック機構はないが、かっちりはまって固定される

ユニット間の接続は、6つの接点があるやや大きめの専用コネクターで行なう。とくにロック機構はないが、かっちりはまって固定される

ACアダプターユニットを装着したところ。がっちり固定されるため、このまま電池ユニットをぶら下げても抜けることはなく壁のコンセントに差し込める

 まずはACアダプターユニットでフル充電した状態でスマホ(auのIS11T、内蔵バッテリーは1300mAh)を充電してみたところ、残量20%のところからフル充電までを2回行なえた。3回目は20→50%となったので、ほぼ“スマホ2回フル充電”の実力はあるようだ。

 次にバッテリーを使いきったあとで手回しで30分ほど(休憩数回挟む)充電し、スマホに接続すると約5%(60→64%)充電できた。

 スマホをフル充電するのであれば10時間近く回さなくてはならない計算だが、もちろんフル充電させる必要性はない。30分回せば数分の間ウェブやメールが使えると考えれば、災害などのときに心強いことは確かだ。

手回し発電ユニットのハンドルは畳むことができ、持ち運びの際にも邪魔にならないようになっている

充電池をセットし、発電機側を持ってハンドルを回せば充電開始。最初しばらく軽いが、10回ほど回せば急にハンドルが重くなってくるのは発電機を保護するためのクラッチ機構が入っているためだろう。充電に適した速度は1秒2回転程度

充電池をセットし、発電機側を持ってハンドルを回せば充電開始。回しはじめは軽いが、10回ほど回すと急にハンドルが重くなってくる。これは発電機を保護するためのクラッチ機構が入っているためだろう。充電に適した速度は1秒2回転程度

ちなみにこれはダメな持ち方。何十分も回すと疲れてきて持ち方を変えたくなるが、それなりに力を入れるので発電ユニット部を持たないとコネクタ部に負担がかかってしまう

ちなみにこれは充電池ユニットだけを握るダメな持ち方。何十分も回すと疲れてきて持ち方を変えたくなるが、それなりに力を入れるので発電ユニット部を持たないとコネクター部に負担がかかってしまう

スマホなどへ給電する際、電源ボタンを普通に押すとMODE1で電源ON、長押しするとMODE2で電源ONとなる。MODE2はUSB認証しないと充電されない機器向けのモードで、たいていの場合はMODE1で問題ないはずだ

スマホなどへ給電する際、電源ボタンを普通に押すと「MODE1」、長押しすると「MODE2」になる。MODE2はUSB認証しないと充電されない機器向けのモードで、大抵の場合はMODE1で問題ないはずだ

 USB出力付きの手回しラジオだけでなく、手回し充電器、または手回し発電機能付きバッテリーといった製品など、探せば同種の製品はけっこう売られているのだが、本製品のポイントはやはりバッテリーと発電機が分離・合体できる点だ。

 災害に備えて導入を考えるといっても、機材は普段から使わなければもったいないし、かといって普段から発電機を持ち歩くのもかさばって面倒。それならばバッテリーは持ち歩くカバンの中、ACアダプターユニットは自宅、発電ユニットは非常袋の中、と分けて置いておくのが順当なところだろう。

 もっとも、職場や出先、移動中での被災の可能性も考えれば、手回し発電機も持ち歩きたいところではあるのだが。

アダプターのバリエーションに期待したくなる製品

 ACアダプター/手回しともに充電中はUSB側には給電されない。これは手回し発電機の場合、回転速度によって出力電圧が安定しないため、一度バッテリーを経由することで電圧を安定させるためだと思われる。

 とはいえ、手回しで発電→電圧を変えてバッテリーに保存→電圧を変えてUSBで給電、というのも無駄があることは確か。せっかくの分離/合体構造なのだから、できれば発電ユニットから直に(電圧を安定化しつつも)USB出力できるユニットなどもほしいところ。

 欲を言えば、手回し発電から単3充電池に充電できるユニットや、ソーラーパネルから充電するユニットなどもあれば色々と使えそうではある。つまり、今後いろいろな応用が考えられそうな製品である。

 ともあれ、携帯性と容量ばかりが選択ポイントとなりがちのモバイルバッテリーだが、本製品のように万一の時に使えるという点も購入時に考慮してもいいだろう。

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