ソニーから新型の単3型充電池が6月20日に発売される。新「サイクルエナジー シルバー」は1000mAh(最小950mAh)のNi-MH充電池で、主力製品の「サイクルエナジー ゴールド」(2100mAh、最小2000mAh)に対して約半分の容量となる。予想実売価格は2本組が500円前後、4本入りが900円前後、8本入りが1700円前後だ。
製品名が従来と変わらず容量も変わっていないので、新型であること自体が認知されにくいのだが、今回のモデルチェンジによって繰り返し充放電回数が1500回から3000回に伸びている(ゴールドは1000回)。つまり低容量/長寿命を目指した製品である。
ちなみに、過去の単3タイプのNi-MH充電池は大容量化の流れが大きかった。特にデジカメの電源に単3電池を使うのが主流であった2000~2005年あたりは、毎年のように各社が競って高容量モデルを発売していた。
しかし、デジカメ製品でリチウムイオンバッテリーが普及していくことで高容量電池の需要が低下。その代わりに目立ちはじめたのが低容量/長寿命モデルである。
同様に低容量/長寿命をコンセプトにしている「エネループlite」は、容量はほぼ同じで充放電回数が2000回なのだから、ソニーはエネループに真っ向から対抗する商品を投入したことになる。
もっとも、スマホの外部バッテリーとして使うならば1日1回の充放電、3000回となれば8年強、1000回でも3年弱は使えることになる。数年後ともなれば、スマホの省電力なりバッテリーの技術なりが画期的、とは言わないまでもいくぶんは進歩しそうな気がする(というよりも進歩してくれないと困る)。しかし、たとえスマホ充電に使わなくなっても将来的に家庭での乾電池消費を激減させてくれるのは確かだ。
実際どれくらい使えるものなのか、例によって単3×2本を使う充電器を使ってスマホを充電してみた。スマホ内バッテリーが30%程度まで落ちたところから充電を行なったところ、約28%分を回復することができた。同様のテストでゴールドが55%だったので、ほぼ半分というスペックどおりの結果となった。
なお、同じ実験をエネループliteで行なったところ、25%分の充電が可能だったので、サイクルエナジーシルバーのほうが若干容量は多いようだ。
容量に関してはゴールドの半分というスペックどおりの性能で、値段はだいたい約2~4割ほど安い程度(いずれもオープン価格で実売価格を比較)ということを考えれば、コストパフォーマンスは悪い。ただ、ゴールドの1000回に比べて3倍という寿命を考慮すると一気にコストパフォーマンスが逆転する。これはエネループ(1800回)とエネループlite(2000回)に比べても大きな差だ。
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