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売り場で迷わない! スマホ周辺機器の選び方 第1回

じっくり考えてみるタイプ別スマホバッテリー選び

2012年05月07日 12時00分更新

文● 行正和義

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 Googleが昨年末に実施した調査によると、あいかわらずスマートフォンに対する不満として大きいのは電池の持ちだそうだ(通信費も同じくらい不満があるようだかそれはそれとして)。

 通話にメールにウェブブラウズにGPSにと、スマホひとつに色々と仕事をやらせているのだから電力を相当消費するのは当然。とはいえ、スマホのバッテリーが切れて何もできなくなる事態に陥るのはなんとしても避けたいところ。

 というわけで、スマホ関連製品の売り場を見ると多種多様のスマホ用増設バッテリーが並んでいるが、何を基準にどう選べばいいのか分からない人も少なくないはず。

 ここはひとつどんな選択肢があってそれぞれどんな利点・欠点を備えていて、なにを選ぶのがいいのか考えてみよう。

携帯に便利なスマホ一体型
ただし電源管理が面倒

NTTドコモ純正のUSBモバイル電源パック。2500mAhのリチウムイオンバッテリーを搭載する

NTTドコモ純正のUSBモバイル電源パック「ポケットチャ―ジャ― 01」(直販価格1890円)。2500mAhのリチウムイオンバッテリーを搭載する

バッファローのiPhone 4/4S対応バッテリー内蔵ケース「BSIPA11」。1600mAhのリチウムポリマーバッテリーを搭載

バッファローのiPhone 4/4S対応バッテリー内蔵ケース「BSIPA11」(直販価格は4980円)。1600mAhのリチウムポリマーバッテリーを搭載

 店頭で多く見かけるのは外付けのモバイルバッテリー、つまり電池を内蔵してUSB経由でスマホに給電するタイプだ。ほかのスマホや機器にも使えるという利点はあるが、スマホとは別に持ち歩かなければならない点、ケーブルを抜き差ししなくちゃいけない点が面倒と言えば面倒。

 スマホのケースとして装着できる増設バッテリー、いわゆる「バッテリージャケット」のたぐいもあり、iPhone用ではかなりの種類が販売されている。AndroidスマホではiPhoneほど一般的ではないものの、GALAXYシリーズなどではメーカー純正/サードパーティ品が販売されている。

 さらに、スマホの内蔵バッテリーパックそのものを大容量化した製品もある(こちらはバッテリーを入れ替えられるAndroidスマホ限定だが)。標準のバッテリーパックと入れ替えることで長時間駆動を実現できるわけだが、容量が増えればその分バッテリーパックの物理的なサイズが大きくなり、背面カバーが閉じられないという事態になる。そこで、それらの製品はバッテリーがちゃんと収まるように独自設計した背面カバーを同梱するものも多い。

フォーカルポイントの「Juice Pack Plus for iPhone 4S/4」(直販価格1万800円)は2000mAhのバッテリーを内蔵するバッテリージャケット。LEDによる残量表示や給電OFFスイッチなど、基本的にはUSBコネクターから給電する外付け式バッテリーを一体化させたものだ

Android用ではGALAXY Sシリーズ用がある程度。写真はNTTドコモの「ジャケット型電池パック SC02」(直販価格5670円)。1300mAh容量で内蔵バッテリー(1650mAh)よりもやや少ない。給電OFF機能がないためスマホ側は常時給電状態となってしまうのが気になる

 装着すればスマホがやや分厚くなるのは似たようなものだが、バッテリージャケットはジャケット内の電池からコネクター経由でスマホへ給電するのが一般的。給電のしくみが違うのでここでは前者を“バッテリージャケット”、後者を“大容量バッテリーパック”と呼ぶ。

 バッテリージャケットの利点はそのまま装着すればスマホカバーを兼ねる点。たいていの場合、スマホ内蔵バッテリーよりも大きなバッテリーを採用するためバッテリー駆動時間を2倍程度に伸ばせる。

 欠点はスマホがやや分厚くなることと、スマホ側が常時給電状態になること。また、ジャケット側の電池残量を把握するには、スマホの画面表示ではなくジャケット側のLEDなどをチェックしなければならない。ジャケットにLED表示がない場合は、スマホ本体の充電ランプがついているかどうかで判断しなければならない(消えていればジャケット側のバッテリーがなくなったと考えられる)。

大容量バッテリーパックの問題点

海外メーカーの端末だと大容量の互換バッテリーパックも比較的入手しやすく、1000円台で買えるものもある(写真はGALAXY S II用3000mAh)。スマホの裏蓋を交換しなくてもいい小容量のものもある

海外メーカーの端末だと大容量の互換バッテリーパックも比較的入手しやすく、1000円台で買えるものもある(写真はGALAXY S II用3000mAh)。スマホの裏蓋を交換しなくてもいい小容量のものもある

 一方で、大容量バッテリーパックならスマホ内蔵バッテリーをリプレイスするため、上記のようなUSB給電に関する問題点はない。

 大容量バッテリーパック製品のなかには純正品とわずかに大きい程度で(当然容量もちょっとだけ多い程度なのだが)スマホの背面カバーを交換する必要がない製品もあれば、標準の倍くらいの容量を持つものもある。

 使用上の問題点としては、単に大容量ゆえに充電が本来のものよりも時間がかかる点、スマホ内のバッテリー残量表示計と必ずしも残量が合わなくなる可能性がある点、背面カバーを交換する製品の場合、そのほとんどは防水に対応しない点(つまり、防水スマホが防水ではなくなる)などがある。

 さらに注意したいのは、大容量バッテリーが俗に“中華バッテリー”と呼ばれるように、販売されているものにはやや品質が怪しいものがあること。発熱などの症状を見せるものも少なくないほか、いわゆる寿命である充放電回数が短いという声も聞く。

 当然、端末メーカーとしても大容量バッテリーを使うことをサポートしていない。もちろん外付けバッテリーやバッテリージャケットでもメーカーが正式サポートしてないものも多いわけだが、なにぶんスマホの中に入れるというモノだけに必要以上に気を遣いたいのは確かだ。

意外におススメ!? 純正バッテリー

 安心して使いたいのであれば、予備の純正バッテリーを持ち歩くという手がある。純正品ならば安心できるうえ、入れ替える予備バッテリー1個で確実に2倍の容量が確保でき、さらには外付けのモバイルバッテリーなどよりも大幅に小さくて軽い。

 機種にもよるが、だいたい2000~3000円台で買える場合が多く、大容量バッテリーパックを購入するより安かったりする。さらに、量販店のオンラインショップなどでも売っているため、送料無料でポイント還元まで受けられる場合もある。

 ただし、バッテリーパックを入れ替える際にスマホの電源を一度OFFにする必要がある。そして、スマホによっては背面カバーを取り外すのがかなり面倒という機種もある(電池が交換できないスマホもあるわけだが)。

本体と一緒にバッテリーパックを充電できるクレードル製品もあるが、国内メーカー端末では純正でそのようなクレードルを用意しているメーカーはほとんどない(写真はGALAXY S II用。1500円程度で売られている)

本体と一緒にバッテリーパックを充電できるクレードル製品もあるが、国内メーカー端末では純正でそのようなクレードルを用意しているメーカーはほとんどない(写真はGALAXY S II用。1500円程度で売られている)

 また、バッテリーパック単体を充電できる充電器がなければ、充電時にも入れ替える必要がある。現状、バッテリーパック用の充電器というのは純正品ではほとんど見たことがないので、このハードルは高いかもしれない。

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