このページの本文へ

国内発売済みウルトラブックをほぼすべてレビューした筆者が選ぶ

ウルトラブックを触りまくった石井英男氏が選ぶ、春のお勧め機種

2012年05月16日 12時00分更新

文● 石井英男

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

ウルトラブックの要件にしたがってレビュー

CPU:Core i7搭載のZENBOOKに軍配

 まずは、CPUから見ていこう。ウルトラブックのCPU要件は、第2世代以降のCore iシリーズ搭載(ウルトラブック用第3世代Core iシリーズの登場はまだ)というものだが、筆者がお勧めする3機種のうちdynabook R631/28EとHP Folio13-1009TUの2機種はCore i5-2467M(1.6GHz)を、ZENBOOK UX31E-RY128はCore i7-2677M(1.8GHz)を搭載している。もちろん、Core i5-2467MよりもCore i7-2677Mのほうが上位のCPUだ。

 どちらも、デュアルコアCPUで、Hyper-Threadingテクノロジーをサポートしているため、最大4スレッドの同時実行が可能。

ZENBOOK UX31E-RY128は、今回取り上げた3機種中で、唯一上位のCore i7-2677M(1.6GHz)を搭載。Turbo Booostテクノロジーにより、最大2.9GHzまでクロックが向上する。また、L3キャッシュ容量も4MBと大きい

 ターボ・ブースト・テクノロジーも搭載しているため、温度や電力などに余裕がある場合、自動的に動作クロックが向上するが、このクロックの上昇幅がCore i5-2467MよりCore i7-2677Mのほうが大きく、前者は最大2.3GHz(定格+0.7GHz)まで上がるのに対し、後者は最大2.9GHz(定格+1.1GHz)まで向上する。また、L3キャッシュ容量も、Core i5-2467Mが3MBなのに対し、Core i7-2677Mは4MBと大きい。

 参考のために、PCMark05のCPU Scoreを実行したところ、dynabook R631/28EとHP Folio13-1009TUはほぼ同じスコアだったが、ZENBOOK UX31E-RY128のスコアは25%程度高かった。動画エンコードなど、CPU負荷が高い処理をさせる場合は、ZENBOOK UX31E-RY128が有利といえる。

 ただし、ウェブブラウズやメール送受信、文書作成といった一般的な作業には、Core i5-2467Mでも性能的には十分であり、Core i7-2677Mとの性能差を体感できる場面は少ない。

CPU比較表
機種 CPU PCMark05 CPU Score
dynabook R631/28E Core i5-2467M(1.6GHz) 6155
HP Folio13-1009TU Core i5-2467M(1.6GHz) 6014
ZENBOOK UX31E-RY128 Core i7-2677M(1.8GHz) 7696

薄さ&13.3型最薄はdynabook R631/28Eの手に

 次に、薄さを比較してみよう。最厚部が薄い順に並べると、dynabook R631/28Eの15.9mm、ZENBOOK UX31E-RY128の17mm、HP Folio13-1009TUの18mmとなる。ウルトラブックの要件では、最厚部21mm以下とされているので、すべて要件を満たしている。数値上の差はわずかだが、実際に持ってみるとやはりdynabook R631/28Eは薄く感じる。

 dynabook R631/28Eは、13.3インチ液晶搭載ウルトラブックとしては最薄クラスであり、ウルトラブックの特徴である「薄さ」を十二分に体現した製品といえるだろう。薄さにこだわるのなら、dynabook R631/28Eがお勧めだ。

 ただし、今回の3機種のなかで一番厚いHP Folio13-1009TUでも最厚部は18mmと従来のノートPCに比べると格段に薄いので、カバンなどへの出し入れもスムーズだ。

dynabook R631/28E(左)とZENBOOK UX31E-RY128(右)の厚さ比較。わずかにdynabook R631/28Eのほうが薄い

dynabook R631/28E(左)とHP Folio13-1009TU(右)の厚さ比較。やはりdynabook R631/28Eが薄い

重ねてみた。下からdynabook R631/28E、ZENBOOK UX31E-RY128、HP Folio13-1009TU

最厚部の薄さ比較表
機種 最厚部の薄さ
dynabook R631/28E 15.9mm
HP Folio13-1009TU 18mm
ZENBOOK UX31E-RY128 17mm

バッテリー駆動時間:Folio13-1009TUが実測7時間35分を記録!

 ウルトラブックは、スリムで軽いため、持ち歩いて使う用途にも向いている。その場合、重要なのがバッテリー駆動時間だ。ウルトラブックの要件では、バッテリー駆動時間は5時間が必須で、推奨は8時間とされている。

 今回取り上げた3機種の公称バッテリー駆動時間は、dynabook R631/28EとFolio13-1009TUが約9時間、ZENBOOK UX31E-RY128が8.1時間となっている。しかし、公称バッテリー駆動時間の計測方法は、メーカーによっても異なり(国内メーカーではJEITAが定めた方式を使っているところが多い)、実際の利用状況とはかけ離れた状態で計測していることもある。

 そこで、バッテリーベンチマークソフトの「BBench」を利用して、バッテリー駆動時間を実際に計測してみた。電源プランを「バランス」にし、液晶の輝度は「中」、無線LANをオンにして、1分置きにウェブサイトを巡回、10秒ごとにキー入力のエミュレートをするという条件で計測したところ、dynabook R631/28Eは5時間57分、Folio13-1009TUは7時間35分、ZENBOOK UX31E-RY128は5時間36分という結果になった。

Folio13-1009TUは、公称バッテリー駆動時間が約9時間と長く、無線LANを常時オンにした状態での実測でも7時間35分という好成績を記録した

バッテリー駆動時間比較表
機種 公称 BBenchの結果
dynabook R631/28E 約9時間 5時間57分
Folio13-1009TU 約9時間 7時間35分
ZENBOOK UX31E-RY128 約8.1時間 5時間36分

カテゴリートップへ

注目ニュース

ASCII倶楽部

プレミアムPC試用レポート

ピックアップ

ASCII.jp RSS2.0 配信中

ASCII.jpメール デジタルMac/iPodマガジン