Windows 8の特徴のひとつが、タブレットに対応するためにタッチ機能を強化したことだ。というよりも、Windows 8ではタッチを前提に、ユーザーインターフェースが大きく変化している。今回はそのタッチ機能を見ていくことにしよう。
タッチの基本操作は7種類
マウスイベントと同様にOS側が識別
Windows 8のタッチ基本動作。白いスライドは「Building Windows 8」ブログ、青のスライドは2011年9月に開催された開発者向けイベント「Build」でのセッションスライドから引用。2つのスライドで数が異なるのは、ブログのほうでは、画面右からのスワイプと下からのスワイプを区別しているため。基本的な動作としては7つ
Windows 8のタッチには、上に挙げたようにいくつかの基本操作がある。これらはWindowsがユーザーの操作を解析し、アプリケーションに対して解釈した結果を送る動作であり、いわばWindowsの基本操作だ。
従来のWindowsでも、マウスの動作解析は行なわれていた。例えばマウスのシングルクリックやダブルクリック、右クリックなどは、それぞれに対応するイベントが定義されている。ゆえに、アプリケーション側がマウスの動きやボタンの状態を、解釈する必要はなかった。同様にWindows 8でも、システムで定義された基本操作に関しては、指の動きなどをアプリケーションが解釈しなくてもいいようになっている。
マウスのシングルクリックに相当するのが、「タップ」とよばれる動作だ。タッチを前提としているため、今までのWindowsと違い、クリックやタップは「選択」ではなく、「選択&実行」(開く)動作となる。これは今までのWindowsの場合、Explorerの設定で、「クリック方法」を「ポイントして選択し、シングルクリックで開く」とした場合の動作だ。
ただしWindows 8 CP版では、デスクトップ側では従来どおり、シングルクリック(タップ)で選択し、ダブルクリックで実行という設定がデフォルトになっている。これに対してメトロおよびスタート画面側では、タップは選択と実行(開く)のみで、これを変更することはできない。
同じように、画面上に指を置いたまま動かさずに一定時間待つと「ホールド」(Press and Hold)と呼ばれる操作になる。ただしこの動作は、すべてのオブジェクトで定義されているわけではない。マイクロソフトのブログやドキュメントによれば、この動作は「Learn」または「Learn about the Object」と呼ばれる機能になるとしている。具体的に何を意味するのかはほとんど記述がないが、触れたオブジェクトの説明表示などができる、というもののようだ。
スタート画面で、タイルに対してホールドすると、タイルによってはアプリケーション名が小さなポップアップで表示される。ただし、標準でインストールされているタイルであっても、この動作を行なわないものがいくつかある。

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