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大規模な仮想化・クラウドインフラ構築のノウハウ満載!

NetAppストレージを使い切ったホワイトクラウドのインフラ

2012年04月11日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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vCloud Datacenterの機能拡張に寄与

 一方、ホワイトクラウド VMware vCloud Datacenter Serviceの事例に関しては、ソフトバンクテレコム 営業開発本部 クラウドサービス開発統括部 クラウドサービス部 第3課、石川貴司氏、ネットアップ 技術本部 シニア・システムズエンジニア、金子浩和氏が説明を担当した。

ソフトバンクテレコム 営業開発本部 クラウドサービス開発統括部 クラウドサービス部 第3課、石川貴司氏、ネットアップ 技術本部 シニア・システムズエンジニア 金子浩和氏

 VMware vCloud Datacenter Serviceは、VMware公認のパブリッククラウドで、グローバルで8つの通信事業者が認定を受けているという。VMwareを用いた世界共通のインフラ基盤を用い、プライベートクラウドとの高い親和性を実現しているのが大きな特徴。「オンデマンドで仮想サーバーを作れ、料金プランも柔軟というパブリッククラウドのメリットと、従来VMwareを使って構築した環境をそのまま利用できるというプライベートクラウドのメリットを両方兼ね備えている」(石川氏)という。

パブリッククラウドとプライベートクラウドのメリットを合わせ持つ

 特徴的なのは、VMwareだけでは顧客のニーズを満たせない機能を独自に追加している点。vCloud Directorの標準メニューで提供されない、バックアップ、閉域ネットワーク、他のサービスとの組み合わせなどを追加提供している。「約4割の顧客がバックアップサービスを希望していたが、既存のサービスではバックアップのサービスがなかった」とのことで、基本メニューでバックアッププランを提供するようにしたという。

 これに対して、ネットアップではvCloud Director環境において、顧客の指定した日時に日々バックアップを取得する仕組みを提供した。リストアに関しても仮想マシン単位、vApp単位でできるようにした。これを実現したのが、本邦初公開ともいえるSnapCreater for vCloud Directorになる。SnapCreater for vCloud Directorを使えば、vCloud Directorにアクセスし、配下のvCenterの情報を取得。さらにひも付いているvAppや仮想マシンを識別し、バックアップを取得するところまで自動化できるという。加えて、SnapMirrorを用いて別サイトにミラーリングさせており、高いレベルのデータ保護を実現している。もちろん、仮想ストレージとしてシンプロビジョニング、オンラインのディスク追加、優先付けや容量割り当て、リソース移動などの機能は最大限活用されている。

 VMware vCloud Datacenter Serviceは、今後海外でのサービス提供も予定しており、まずは2012年の上半期に中国でスタート。また、事業者間の連携を進めるほか、遠隔地でバックアップサービスなども提供する予定となっている。

 今回の説明会は、マーケティングメッセージ中心の事例紹介ではなく、課題や技術的なノウハウ、製品の技術を解説する内容で、なかなか聞き応えがあった。特に通信事業者がここまでシステム構成を披露するのは珍しく、自社内での展開を着実に進めるソフトバンクグループとしての自信がうかがえた。これらソフトバンクグループの事例は、ネットアップが全世界で展開中の「Epic Story」という事例プログラムの1社として紹介され、ビデオやテクニカルホワイトペーパーも用意されている。

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