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ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情第142回

CPUとGPUの統合を一層進める2013年のAMD APUの姿

2012年03月12日 12時00分更新

文● 大原雄介(http://www.yusuke-ohara.com/

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 前回のAMDロードマップアップデートでは、サーバー向けCPUと「PileDriver」コアの詳細について説明した。今回はAPUの話題である。下の左スライドは2011~2012年の、右スライドは2012~2013年のCPUとGPUのロードマップである。両方をまとめると、ポイントは以下の点にある。

2012年に登場するGPU/APUでは、28nmプロセスは独立GPUの「Southern Island」(Radeon HD 7000系)のみ右の説明にあるSoCの話は、「Temash」に掛かると思われる
  • 2011→2012年には「Llano」が「Trinity」に刷新。さらに2013年には「Kaveri」に刷新される。
  • 2011年の「Brazos」は、2012年に「Brazos 2.0」になるが、大きくは変わらず。また適用範囲も縮小。2013年には「Kabini」に切り替わり、2011年とほぼ同じポジションに戻る。
  • 2012年にはUltra Low Power APUである「Hondo」が投入され、これが2013年には「Temash」に刷新。

 デスクトップ向けのハイパフォーマンス市場向けCPUは、前回紹介したとおり2012~2013年に「Vishera」が投入される。ただし、これはあくまでデスクトップのみ。デスクトップ向けのメインストリーム市場以下とモバイル向けの全部は、APUでカバーされる。

GPU性能の強化が焦点となる
Trinitiy~Kaveri世代のAPU

 ではそのAPUについて、まずはLlano~Trinitiy~Kaveriというメインストリーム向けから解説しよう。この世代では、大雑把に言えば「GPU性能の強化」が一番重要なテーマである。

APUの演算能力比較のグラフ。単純に演算性能(それもSIMD的に利用できる単精度浮動小数点もしくは整数演算)を比較して「3倍」と言うのも、どうかという気はする

 Llanoがおおむね600GFLOPSなのに対して、Trinityでは800GFLOPS強、Kaveriは1000GFLOPS強の性能を狙っている。アーキテクチャーが異なるGPUを搭載するから一概に比較はできないのだが、Llanoベースの「AMD A8」が最大400SP(シェーダープロセッサー)/600MHzなので、Trinity世代では400SP/800MHz相当になる。同じ計算だとKaveriは400SP/1GHz駆動になるが、この世代ではGPUコアが「GCN」に変わるから、この計算はあまり適当ではないだろう。

 プロセッサーを含めた性能に関しては、下のスライドが多少参考になる。これはモバイル向け向けの話で、LlanoとTrinityを比較すると、おおむねTriniryが倍の効率の良さを示すとする。

LlanoとTrinityの性能比較グラフ。左のグラフは17Wにおける「Performance/Watt」というあたりがミソ

 個別の性能で言えば、CPUコアはStarsコアからPiledriverコアに変わって、最大25%の性能向上。GPUはLlanoからTrinityで最大50%の性能向上、といった数字だそうだ。この結果、Trinityは特にモバイルの分野で、Llanoよりも大幅にバッテリー寿命が伸ばせるという話になっている。

 それはそれで事実だと思うが、その一方で「デスクトップ向けの65Wや100W TDP枠の製品の性能が、そのまま倍増するか?」と問われれば、これは恐らく無理であろう。一般論であるが、消費電力や発熱は動作周波数が上がると指数級数的に上昇するから、17W近辺では倍近い性能差があったとしても、65~100Wで動作中だとそこまで性能は向上しないだろうと思われる。

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