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「スマホ&タブレット」と「テレビ&BDレコ」で広がる素敵な世界 第1回

BDレコ連携でBSやCS放送もスマホで見るぞ!

2012年01月30日 12時00分更新

文● 鳥居一豊

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スマホへの番組持ち出しはできるか?
ハイビジョン画質への対応は?

 今度は、BDレコーダーからスマホへ番組をダビングして外出先にも持ち出せる、番組持ち出し機能を試してみた。

 番組持ち出し機能は、DVDレコーダー時代にも採用モデルがあった機能で、今ではソニー、パナソニック、シャープが対応している。これはメーカーごとに特別な携帯機器に対応するのを別とすれば従来の携帯電話(フィーチャーフォン)への転送を行なう機能で、対応した携帯電話ならばメーカーを気にする必要もない。

 画質的にはQVGAまたはVGA画質となる。この感覚でスマホでも番組持ち出しができるかというと……実はそう上手くはいかない。

 スマホはどちらかというとPC寄りの端末という扱いで、著作権保護などには特別のルールが必要になる。そのため、基本的にスマホへの番組持ち出しはできないと考えた方がいい。

 ただし、スマホへの番組持ち出しはハイビジョン画質での転送が各社で準備されており、対応端末の登場または現行機種でのアップデートが行なわれるのは、春以降になるものと思われる。

 そのなかで東芝が先行して、同社製のスマホやタブレットに限ってハイビジョン画質(720p)での番組持ち出しを実現した。東芝はそれまで携帯電話への番組持ち出しには対応していなかったが、一足飛びにスマホで対応してきた格好だ。独自規格のため、今後登場する統一規格と互換性があるかどうかは気になるところだ。

 そこで、同じメーカー製のBDレコとスマホや携帯端末で番組持ち出しができるかどうかをテストしてみた。方法としては、BDレコとスマホをUSBで接続し、きちんと書き出せるかどうかに加え、書き出し時の解像度や転送レートも確認している。

AQUOSブルーレイからAQUOS Phoneへ

シャープの番組転送時に選択できる画質は4つ。VGAとQVGAの解像度でそれぞれで2種類のビットレートが用意されている

シャープの番組転送時に選択できる画質は4つ。VGAとQVGAの解像度でそれぞれで2種類のビットレートが用意されている

シャープの場合、転送用の番組は録画時に同時に記録するように設定できる。簡単に転送ができる自動転送設定もある

シャープの場合、転送用の番組は録画時に同時に記録するように設定できる。簡単に転送ができる自動転送設定もある

AQUOS Phoneでは、スマートファミリンクを起動。コンテンツ一覧の画面で「DOWNLOAD」ボタンを押すことでダウンロードできる

AQUOS Phoneでは、スマートファミリンクを起動。コンテンツ一覧の画面で「DOWNLOAD」ボタンを押すことでダウンロードできる

 一番手のシャープでは、いきなり意外な結果が出た。なんとAQUOS Phoneへの番組転送が可能だった。書き出し時の画質は最大で1.5MbpsのVGA画質となるが、特別な操作をすることなく番組を持ち出せた。これは従来の携帯電話と同様の仕組みを特別に実装しているためだろう。

 画質を見てみると、さきほどのハイビジョン画質でのDLNA配信に比べるとやや甘い映像になっていることがわかる。持ち出しができるというメリットは揺らぐものではないが、スマホの画面解像度からするとVGA画質では少々物足りないとも感じた。

REGZAブルーレイからREGZA Phoneへ

東芝DBR-Z160の番組持ち出しはダビング画面で行なう。ダビング先の設定で、持ち出し用の変換と、LANを使った持ち出し機器へのダビングが選択できる

東芝DBR-Z160の番組持ち出しはダビング画面で行なう。ダビング先の設定で、持ち出し用の変換と、LANを使った持ち出し機器へのダビングが選択できる

持ち出し用画質の選択では、640×360ドットと1280×720ドットの解像度、および12/6/8/4/2.4Mbpsのビットレートが選べる。ハイビジョン画質で持ち出せるのはありがたい

持ち出し用画質の選択では、640×360ドットと1280×720ドットの解像度、および12/6/8/4/2.4Mbpsのビットレートが選べる。ハイビジョン画質で持ち出せるのはありがたい

持ち出し用に変換した番組は専用のフォルダに保存される。これはREGZA TabletでのDLNA配信用としても使われる

持ち出し用に変換した番組は専用のフォルダに保存される。これはREGZA TabletでのDLNA配信用としても使われる

番組持ち出しをする場合、「RZポーター」というアプリでサーバー機器の登録を行なう。BDレコで設定したユーザー名とパスワードを登録することで、両者の認証が行なわれる

番組持ち出しをする場合、「RZポーター」というアプリでサーバー機器の登録を行なう。BDレコで設定したユーザー名とパスワードを登録することで、両者の認証が行なわれる

RZポーターの「機器選択画面」。ここでサーバー機器を指定すると、転送待ち状態になる

RZポーターの「機器選択画面」。ここでサーバー機器を指定すると、転送待ち状態になる

 東芝の場合は、まずBDレコーダーで持ち出し用の番組変換を行なう。設定した番組を録画時に変換することも可能だ。スマホ側では事前に書き出し機器となるBDレコのユーザー名とパスワードの登録が必要。多少手間はかかるが、BDレコの設定と同時に行なえばユーザー名やパスワードを忘れてしまうこともない。

 そして、REGZA Phoneの「RZポーター」というアプリで送り出し側のBDレコを指定する。後は、持ち出したい番組をBDレコのダビング画面で指定してダビングを開始するだけだ。これらの操作はREGZA PhoneもREGZA Tabletもほぼ同様となる(なお、ARROWS X LTEはRZポーターに非対応)。

 そして番組のダビングはネットワーク経由で行なわれるので、接続などの必要はない。この点は作業も簡単でやりやすい。

 大きなメリットといえるのは、ハイビジョン画質で転送できる点。画面解像度もパネル解像度と一致していることもあり、鮮明な映像が楽しめる。やはり最新のスマホに番組を持ち出すなら、これくらいの画質が欲しいと実感する。

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