電源ユニットは、PCパーツの中でも劇的な変化がほとんどないパーツであるが、ここ近年は電源変換効率80%以上の「80PLUS認証」が一般化したこともあり、高変換効率をセールスポイントにするハイエンド向け製品の市場が活性化している。
高変換効率の電源ユニットは、消費電力を節約できるのがメリットで、自作ユーザーにとっては節電よりも電源ユニット自体の発熱を抑えられる点がありがたい。低発熱であれば、ハイエンドからミドルレンジモデルではファンの回転数を抑えることで騒音を減らせるうえ、ロースペックモデルならファンを停止または最低回転数まで絞り込むことが可能になる。人気が出るのも当然の理由だろう。
高効率電源ユニットの目安となるのが「80PLUS認証」で、この認証規格は5つのグレードがある。現在市場に多く流通している製品は、「80PLUS BRONZE」「80PLUS SILVER」「80PLUS GOLD」を取得したものが多く、後者になるほど変換効率が高いことになる。
これらのさらに上には「80PLUS PLATINUM」という最上位グレードがあり、この認証は負荷20%以上で変換効率90%以上というとびきり高い条件が必要なこともあり、認証を取得した製品は少ない。今回紹介するSea Sonic Electronics製「Xseries XP SS-1000XP」は、その80PLUS PLATINUM認証を受けた、出力1000Wの大容量電源ユニットなのだ。
Sea Sonic Electronicsによれば、Xseries XP SS-1000XPは新回路「フル共振ブリッジ」を採用するために、2年の開発期間を費やしたという(通常は1年程度)。80PLUS PLATINUM認証の要件を満たす高変換効率を実現するために、技術者は努力を尽くして実現させたとのことだ。
