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春の電源祭り! マシン構成に最適な電源ユニットを探す 第1回

今狙い目の電源ユニット6製品はコレだ!

2014年04月01日 12時00分更新

文● 藤田 忠

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 自作PCに限らず、デジモノの心臓部といえるのが電力を供給する電源ユニット。電力供給が不安定では、せっかく高性能なPCパーツで組んだマシンが安定して動作しないといった事態も。

 さらに最初にPCケースへ組み込み、各種PCパーツと電源ケーブルを接続するPC自作の組み立て工程上、電源ユニットは手軽に交換というわけにはいかない部分でもある。

 そこで今回は数多くある電源ユニットのなかから、PCパーツショップ店員オススメ&売れ筋をチョイス。使い勝手や電圧変動などを徹底チェックしていこう。

PCの総消費電力をしっかり把握して選ぼう!!

 基本、電源ユニットは、組み上げるPCの総電力量にあった出力(ワット数)のものを選べば問題ないが、PCパーツショップの電源ユニットコーナーには、電源ユニットの品質を表すひとつの指標になっている80PLUS認証の取得ランクの違う数多くの製品が並んでおり、価格もピンキリでちょっと悩んでしまう。

 オススメ&売れ筋電源ユニット6製品のチェックの前に、まず電源ユニット選びで知っておきたいポイントを紹介しよう。

 最も大事なのは組み上げるPCの総消費電力を把握する点だ。といってもCPUやSSD、ビデオカードなどの各種パーツの消費電力を自分で調べるのは少々面倒。

 ショップ店員に組み上げるPC構成を伝えて、相談するのが簡単だが、消費電力をウェブ上で算出してくれるMSIの「電源容量計算機」を使うのもアリ。

CPUやビデオカード、メモリーの種類や搭載数などを選んでいけば、選択したPC構成の消費電力を算出してくれる

4月中に発表される「Haswell Refresh」もすでに登録されている。Haswell Refresh待ちの人も要チェックだ

 さすがに、NVIDIAの「GeForce GTX 750 Ti」などの最新ビデオカード(GPU)の消費電力は未登録だが、インテルのHaswellやAMDのKaveriといったCPUは登録済みだ。SSDの選択項目がなかったり、高めの消費電力で登録されているPCパーツもあったりするが、大まかな消費電力を簡単に調べられるのは、なにかと重宝する。

 組み上げるPCに必要な出力がわかれば、あとは簡単。80PLUS認証製品が最も効率よく変換するのは、電源負荷50%時になることを踏まえて、算出したPCの総消費電力の1.5倍から2倍程度の出力を備えている製品を選ぼう。

80PLUS認証を取得した電源ユニットのパッケージには、ひと目でランクがわかるロゴが入っている

 ただし、80PLUS認証でもその変換効率の違いで複数のランクがある。上位ランクになるほど、電力変換効率は向上し、消費電力や変換時に生じる電源ユニットからの発熱などが低減するが、当然上位ランクほど価格はアップするので、予算が許す範囲でなるべく上位の80PLUS認証の製品を選ぶのがコストパフォーマンス良い電源選びのポイントになってくる。

80PLUS認証ランクと変換効率の違い
電源負荷率における変換効率(115V入力時) 80PLUS STANDARD 80PLUS BRONZE 80PLUS SILVER 80PLUS GOLD 80PLUS PLATINUM 80PLUS TITANIUM
負荷10%のとき-----90%
負荷20%のとき80%82%85%87%90%92%
負荷50%のとき80%85%88%90%92%94%
負荷100%のとき80%82%85%87%89%90%

 80PLUSには今のところ6つのランクがあるが、BRONZEが1798種類、STANDARDが1290種類、GOLDが919種類と圧倒的にBRONZE認証製品が多くなっている。

 また、新たに低負荷時(負荷10%時)の電力変換効率基準が追加され、高負荷時の変換効率もさらに厳しくなった80PLUS最上位ランクの80PLUS TITANIUM認証が追加されている。これはまだ製品が少なく、115V入力時にTITANIUMの認証を取得しているのはSuper Flower製「SF-600P14TE」と、Corsair製「AX1500i(CP-9020057)」の2製品(2014年3月時点)のみになっている。

80PLUS認証を取得している電源ユニットは、「Ecova Plug Load Solutions」のウェブサイトで確認可能だ(http://www.plugloadsolutions.com/80PlusPowerSupplies.aspx)

80PLUSの変換効率ってなに?

 PCの自作で必須のATXやSFX規格の電源ユニットでは、すっかり80PLUS認証取得が当たり前になっているが、最近PC自作を始めた人は、この80PLUSが表す変換効率ってなに? と思う人も多いだろう。

 簡単に説明すると、電源ユニットは家庭用コンセントからの交流(AC)100Vを、PCの各種パーツが用いている直流(DC)3.3/5/12Vに変換、および電圧の降下調節を行なう。

 80PLUS認証の変換効率とは、交流(AC)から直流(DC)へ変換する際の効率を指している。この効率が高くなることで、電源ユニットの電力削減や発熱量の低減による長寿命化、排熱に必要なファン回転数が低下することでの静音化といったメリットが出てくるわけだ。

 なかでも消費電力が高くなるハイミドルGPU以上のビデオカードを搭載したPCで、長時間ゲームを遊ぶ場合などは、毎月の電気代にも少なからず影響してくることになる。

 80PLUS認証製品が登場し始めたころの記事になるが、より詳しくは「これからの電源ユニットのトレンド80PLUS認証電源とはなにか?」を見てもらいたい。

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