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開発者の情熱! スマホ&アプリ、サービスの生みの親に直撃! 第6回

Windows Phoneがこの先日本で生き延びる道とは?

2012年01月11日 12時00分更新

文● 二瓶 朗

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──ビジネス、コンシューマーいずれでも日本語入力は重要ですが、Windows Phoneならではの特徴はありますか?

中島 日本語入力環境として「カーブフリック」を採用しています。フリック操作に、左右に指先を回転させる「カーブ」操作を加えたことによって、濁点や半濁点、拗音などを1操作で入力することが可能になっています。変換エンジンは、PC版の「Office IME」を作成しているチームが手がけています。また、予測変換辞書はOffice IMEの利用者の皆様からご提供いただいたデータベースを基に作成されているので、実用的な予測文字が的確に表示されるようになっています。

フリック操作からそのまま濁点、半濁点などを入力できる「カーブフリック」が便利

PC版のOffice IMEの変換データを参照して予測変換DBが構築されているので、的確な予測変換が候補に挙がる

中島 なお、Windows Phone 7.5が「Windows Phone 7の日本語版」であると誤解されることが多いのですが、そうではありません。前バージョンの7が「日本語未対応」であったのですが、7.5が登場する際に、OS機能の強化とともに、日本語を含む多言語に対応した、というのが実情です。そして、Windows Phone 7.5を搭載した端末の発売が、タイミング的にもっとも日本が早かったので、そんな誤解になったのでしょう。

「ハブ」を操作の起点としてわかりやすく
タッチ中心に練り直されたUI

──UIについて、聞かせてもらえますか?

中島 メイン画面のデザインはご存じ「メトロUI」です。操作の中心は、先ほども触れた「Peopleハブ」をはじめとする6種類の「ハブ」に集約されています。このハブを起点として、すべての操作を行なうことになります。各ハブは「ピボットパノラマUI」になっていて、操作する画面がディスプレーサイズを超えている場合、仮想的な大画面として利用することが可能です。

メトロUI。次期Windows(コードネーム Windows 8)でも採用される予定

「ハブ」はこの「Office」ハブのほか、「People」「Picture」「Marketplace」「Music+Video」「Game」の6種類

「ピボットパノラマUI」のイメージ。ディスプレーサイズを超え、仮想的に大画面になっているハブ画面

中島 Windows Mobile時代にユーザーからいただいた意見を参考に、「触る」を重要なファクターとしてUIの操作感を重視しています。デザインもすべて作り直しました。アイコンを使いながらも見やすいテキスト表示を強調し、タッチにも余裕のあるスペースを設けることで、ユーザーがわざわざカスタマイズしなくても、「かゆいところに手が届く」操作感を実現しています。

使ってみると、メニューなどでテキストが大きめに表示されていて視認性が高い。アイコンと相まって見やすく操作しやすい

中島 逆に、Android端末のように、ユーザーやメーカーがOSの基本部分のUIに手を入れることはできません。今後登場するほかのメーカーの端末でもUIは共通となり、メーカーごとに独自デザインになるということはありません。ただし、スタート画面にどんなタイルを表示させるかなどは、端末ごとにも異なりますし、ユーザーの皆さんが自由にカスタマイズしていただくことが可能です。

──ビジネスでスマホを使うとなると、やはり端末のセキュリティーが気になるのですが、それについては対策などはあるのでしょうか?

中島 ビジネスでスマートフォンを利用する場合、どうしても端末からのデータ漏洩が気になるものです。Windows PhoneはOSとしては、SDメモリーカードをサポートしていますが、内部メモリーの拡張手段として利用していただくことを想定しています。内部メモリーとSDカードが紐づけられて、1つのストレージシステムとして認識されるため、端末からSDカードが抜かれれば、内部メモリーもSDカードの中身も参照できなくなります。

 また、端末紛失時には、Windows Live経由で端末のロックや位置情報の送信、そしてリモートワイプで端末の内容を消去するなどの操作が可能です。ほかにも、Exchangeと連携して、登録端末にグループポリシーを適用したり、こちらからもリモートワイプ操作を実行したりすることができます。Exchangeサーバーを利用している企業にとってWindows Phoneを一括で運用・管理できるのは大きな利点でしょう。

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