11月25日、日本マイクロソフトとNPO法人「育て上げ」ネットは、東日本大震災の被災地である東北三県(岩手、宮城および福島)の被災者を対象に、ICTスキル習得を通して就労機会の拡大を支援する「東北UPプロジェクト」を2012年1月より実施すると発表した。
このプロジェクトは、「ICTスキル習得による就労機会の拡大」を目的に、2012年1月1日~2013年3月末まで実施する。東北三県の1~2カ所の自治体でスタートし、順次展開を予定しており、
- ICTスキル講習のカリキュラム・テキストの開発
- 支援を行なうNPOへのIT講師養成研修の実施
- 被災者へのWindows 7、Office2010およびOffice 365を主体としたICTスキル講習の実施
- プロジェクトのポータルサイトを通したプロジェクトのトレーニングマテリアルの提供
- アドバイザリー・ボードの設置と運営
- 自治体・民間による就労出口施策との連携
を行なう。
「育て上げ」ネットは、東北で支援を行なうNPOとの連携窓口のほか、2010年1月から日本マイクロソフトと協働で実施している無業の若者の就労支援をする「若者UPプロジェクト」において約2年間独自にICTスキル講習を行なった経験を、地元のNPOに伝授する。日本マイクロソフトは、プロジェクト資金やソフトウェアを提供するのみならず、「育て上げ」ネット事務局や地元で支援を行なうNPOと協働し、就労への出口施策と連携を図るという。
日本マイクロソフトの発表によれば、ICTを活用した就労支援は、これまでに実施した個別プロジェクトにかかわる第三者評価調査によって有効性が実証。「若者UPプロジェクト」では就労率が45.5%と、目標値の30%を大きく上回ったという。また、プロジェクトの受講者の8割が「気持ちが前向きになる」などの肯定的な意欲の変化があったとアンケート調査(マイクロソフトコミュニティITスキルプログラム『ITを活用した若者就労支援プロジェクト』にかかわる評価報告書)で明らかになったとしている。今回の「東北UPプロジェクト」では、「若者UPプロジェクト」で確立したモデルを踏襲し、地元で支援を行なうNPOをITスキル講師として養成することで、より効果的なICTスキル講習と就労支援のシナジーを図るとしている。