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HP CLOUD & INNOVATIONレポート(1)

HPが描くクラウドとイノベーション

2011年10月24日 09時00分更新

文● 渡邊利和

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10月18日、ヒューレット・パッカード(HP)はシンガポールにおいて日本およびアジア太平洋地域のプレスを対象として、同社のこの地域におけるクラウドへの取り組みについて説明するイベント「HP CLOUD & INNOVATION」(HPクラウド&イノベーション)を開催した。まずは、そこで発表された主なニュースについて紹介する。

クラウドへの変革をサポート

 当日新たに発表されたのは、大きく分けると4つだ。「New HP Data Center Transformation services」(クラウド向けデータセンターの移行支援サービス)、「New HP CloudSystem financing and resources」(ファイナンシングプログラムやCoE/デベロッパーリソースセンターの開設といった間接的な支援)、「HP 3PAR Utility Storage」(買収によって獲得した3PARのストレージ製品の新モデル)、「New HP VirtualSystem models」(仮想化プラットフォームとして事前構成済みのハードウェア製品)となる。

「HP CLOUD & INNOVATION」で発表された内容

 サービスについては、細かなメニューが膨大に用意されているが、ここではそれを逐一紹介することはせず、“HPがどのような考え方に基づいてデータセンター向けのサービスを展開しているか”を簡単にまとめておきたい。

 米国本社のクラウドソリューション&インフラストラクチャー担当バイスプレジデントのスティーブ・ディーチ氏は、「企業は自社のITサービスデリバリの能力を見直す必要がある」と語った。その背後にある認識は、「“サービス”こそがすべて。ITインフラはサービスを実現するためにある」というものだ。もちろん、ここでいうサービスとは、一般消費者向けにインターネット上で提供されるサービス、という意味に限らず、企業内の業務アプリケーションの実行など、ITによって実現されるあらゆる機能を総称してのサービスである。その上で、従来型のアプリケーションの実行環境として構築されたサイロ型のデータセンターは新しい「ハイブリッドITサービスのデリバリープラットフォーム」としては不十分であり、新しいサービス指向のプラットフォームとして作り替える必要がある。これが、HPがデータセンターの移行支援サービスを強力に推進する理由だ。

米国本社のクラウドソリューション&インフラストラクチャー担当バイスプレジデントのスティーブ・ディーチ氏

 そして、その際に同社では「戦略(Strategy)」「運用(Operations)」「継続性(Continuity)」の3要素が重要だという。なお、ここで継続性と言っているのは「事業継続」「BCP」といった狭い概念だけを指しているわけではなく、データセンター・ファシリティが将来にわたって有用性を維持し続けること、という意味であり、具体的な要素として「柔軟性(Flexibility)」「可用性(Availability)」「継続性(Continuity)」がここに含まれるとされる。その上で、クラウド時代に向けた新しいデータセンターを実現する根本的な目的として「サイロ化を防ぎ、コストパフォーマンスを高め、ITサービスの提供開始までに要する期間を短縮する」ことだとしている。HPが展開するさまざまなサービスメニューは、大きくは「戦略」「運用」「継続性」のいずれかをカバーするものだということになる。

「戦略(Strategy)」「運用(Operations)」「継続性(Continuity)」の3要素

 なお、HPではこの3要素すべてをカバーするサービスメニューを揃えているのはHPだけだとしており、さらに同社の強みとして「Unique IP」(独自の知的資産)、「Proven leadership(AP地域でのリーダーシップ)」、「40% faster; 35% operating cost savings(迅速かつ安価でコストパフォーマンスが高い)」「Expanding coverage(カバレッジが広い)」という4点を挙げている。

HPの競合優位性を支える4つの強み

 また、間接的なユーザー支援策として発表されたのは、新しいファイナンシングモデルの提供、プロフェッショナルサービス、デベロッパーリソースセンター、CoE(Center of Excellence)のAP地域での拡充、の4点となる。ファイナンシングモデルの提供は、クラウド環境構築の際の初期コストの増大を抑制し、利用拡大に応じて段階的に支払額を増やしていくモデルだという。全世界で20億ドルの原資が確保されているという大がかりな取り組みとなるが、日本国内での具体的な提供方法についてはまだ発表されていない。

クラウド向けファイナンシングモデルのイメージ

 CoEは、HP自身が運営するものとパートナーが運営するものがあるが、いずれも同社のクラウドソリューションのショウケースとして機能し、さまざまなノウハウや知見の集積拠点となるものだ。全世界50カ所のCoEのうち、半数がAP地域に置かれるということからも、同社のアジア太平洋地域に対する取り組みの手厚さが分かる。

 このほか、ハードウェア関連の新製品に関しては、クラウド環境向けに使いやすいストレージと仮想化環境をあらかじめ構築済みのサーバー、というだけにとどめておく。

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