各キャリアとも、さらなるスマートフォンの市場拡大を求め、「女性向け」スマートフォンの発売を加速してきた。そんな中、すでに2011年夏モデルとして「P-07C(ドコモ)」と「003P(ソフトバンクモバイル)」を発売し、女性向けスマートフォンに先鞭を付けたともいえるメーカーが、今回お邪魔したパナソニックモバイルコミュニケーションズだ。
お話を聞いたのは、同社商品企画グループ 商品企画チーム 池田大祐氏、同社商品開発センター プロジェクトマネージャー 村本武志氏。この端末の開発秘話とは?
パナソニック初スマホにして女性向け端末!
その理由は?
── P-07Cおよび003Pは、パナソニック初のスマートフォン端末ですが、なぜ女性向けなのですか?
池田大祐氏(以下、池田) iPhoneが発売された2009年ぐらいから、弊社ではずっとiPhoneの売れ行きをウォッチしていました。すると、あるタイミングで女性層のユーザーが急激に増えるという事象を確認できました。そこから推測すると、Android搭載のスマートフォンについては、この2011年の夏の製品群こそが、多くの女性がスマートフォンを手にするタイミングになると予測を立てたのです。
── 最初から女性向けを狙って端末を開発したということですか?
池田 そうです。開発を開始したのはおよそ1年半前の2010年初頭ぐらいでしたが、その時点で、このタイミング(2011年夏)に発売する製品は女性向けでいこうというコンセプトが固まっていました。
村本武志氏(以下、村本) 女性がAndroid端末の購入をためらうのは、もちろん不満点があるからで、一方でiPhoneを購入するのはその不満点を超えた満足するポイントがあるからだと予測し、それらを分析していくことで、女性向けの良い端末ができるのではないかと予測しました。
── 製品には、女性ユーザーのどういった意見を盛り込んだのでしょうか?
池田 女性にスマートフォンのニーズを聞くと、まずはデザインに対する訴求がトップに来ます。また、スマートフォン購入に踏み切れない理由としては、端末のサイズが大きくて操作しにくい、特に片手で使いにくいという意見が多く寄せられました。特に日本では、電車の中などで片手で使うシチュエーションが多いですから。あとはとにかくカンタンに使いたい、というニーズが強かったです。
村本 その部分を特に意識して企画・設計したのが「マイファーストスマートフォン」と銘打ったこの「P-07C」と「003P」というわけです。
── 最近のスマートフォンだと、「○○フォン」のようなブランド名がついていますが、「P-07C」にないのはなぜですか?
池田 携帯電話においては、「P」といえば弊社の「ブランド」であるというイメージを、すでにユーザーに持ってもらえていると思っています。そのため、ブランド名を付けず、シンプルに「P」で行くことになりました。ソフトバンクモバイルの「003P」に付加されている「Sweety」は、いわゆる「ペットネーム」と呼ばれているもので、製品名やブランド名というわけではありません。
「P-07C」の主要スペック | |
---|---|
メーカー | パナソニック |
ディスプレー | 4.3型液晶 |
画面解像度 | 480×854ドット |
サイズ | 約67×128×14mm |
重量 | 約140g |
OS | Android 2.3 |
最大通信速度 | 7.2Mbps(下り)/5.7Mbps(上り) |
カメラ画素数 | 510万画素 |
バッテリ容量 | 1400mAh |
テザリング | ○ |
FeliCa | × |
ワンセグ | ○ |
赤外線 | ○ |
防水 | × |
spモード | ○ |
連続待受時間 | 約340時間 |
連続通話時間 | 約230分 |
カラバリ | Black、White |
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