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注目企業オーリッドのビジネスモデルとは?

日本生まれのクラウドノート「KYBER」がすごい理由

2011年09月21日 15時00分更新

文● ASCII.jp編集部

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ようやく始まった“日本産”クラウドWebサービス

 このふしぎなビジネスモデルはどうやってできたのか。

 オーリッドの創立は2001年。創設者の三浦雅弘氏はもともと大手電機メーカーのエンジニアだ。そのときOCRサービスの技術を手がけていたのが、法人向けサービスを始めるきっかけだった。

 サービスの原理そのものは個人用と同じ。だが、企業が相手となると、仕事が発生する時間もバラバラで、量もケタちがいになる。医者からカルテの電子化を依頼されたときは、毎日のように何万枚ものカルテを変換した。それでも仕事がないときは本当にゼロ。中国のセンターは使えない時間にも固定費がかかり、端的にいえばもったいない。

 実績が認められたのは3~4年前、生命保険会社から支払申込書のデータ化を依頼されたこと。何億枚もの申込書のテキスト化を、実質3ヵ月でやりとげたことが認められた。

 「あれを普通に(保険会社の)社内でやっていたら、こんな早くはできなかったでしょう。とはいえ当時、私たちも崖っぷちで、その仕事をしくじったらあわや……というときだった。あれが成功していなかったら、KYBERはありえませんでした」

 仕事が多いときはとにかく多く、少ないときはゼロに近い。そんな流動的な業務をさばいていくためのノウハウが、スタッフ管理部門を育ててきた。

 とはいえ個人向けのサービス、KYBERが始まってからはまだ1年。Smartnoteも発売されたばかりだ。星川氏は、サービスが本格的に動きはじめるのはこれからだという。

 「今はまだ国内でサービスを拡大している段階です。Evernoteとの連携も進んでいますし、スマートフォンからもより便利に使えるようにしたいと思っています。名刺を管理するサービス、ノートを管理するサービスなど、KYBERそのものの種類もたくさん用意しています。まだまだ本当に始まったばかりですから、これからに期待してください」

 この新しいサービス、何より日本から生まれているのが何より面白いところだ。日本人らしい“徹底管理”のノウハウを使い、第2のクラウドはどこまで成功できるだろう。Webから生まれた新しい“日本産”の今後が気になる。



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